なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • 天と地の守り人〈第2部〉 (偕成社ワンダーランド 33)」「天と地の守り人〈第3部〉 (偕成社ワンダーランド)守り人シリーズを最後まで読了。あらすじは書くと全てねたばれしそうなので封印ということで……。今回は戦争がテーマなので、さまざまな国の人々のさまざまな立場の人々が、それぞれ、悪人、善人ということではなく、それぞれの立場と願いを持って、他人の行動を予測して自らの行動を起こす、ということがいくつもいくつもの流れであらわされていました。このシリーズを子どもの時に読めたら幸せだったろうなあ、と思います。シリーズ始まった時に私はもう大学生だったのでまあそれはないですが。うらやましい。世の中にうごめいている人たちが、一人ひとり思惑と思いがあるということに、これを読んだ人が気づいていければいいなと思います。

 作品としては、シリーズでは私は「軽装版 闇の守り人 (軽装版 偕成社ポッシュ)」がもっともきれいにまとまっていて、かつずしっとくるものがあってよかったと思います。タンダはなんかやられ損?まあ幸せならいいのかしら。(^^;)軍医として活躍って路線もあったとは思うけど、やられちゃったほうが戦争の痛みは伝わるかもですね。最後の巻の主役は、実はトロガイ師だったように思う。いいとこ全部もってってくれた!シリーズ通して、一番好きなキャラクターは初代聖導師のナナイ様です。表面にでてこないのに、碑文だけですげーもってってくれる。石に愚痴を残すなよ!愚痴を!(笑)
 ちなみに、2008/04にはバルサの子供時代の短編集「流れ行く者」が発売予定。
http://www.kaiseisha.co.jp/cgi-bin/find3.cgi?page=frameBdt&isbn=978-4-03-540360-9
ハードカバーでかっちゃいます。

「みごとなホイだったね。」
バルサ天と地の守り人〈第2部〉 (偕成社ワンダーランド 33)」(上橋菜穂子偕成社ワンダーランド)p283より

「たとえば……あんたが盗賊にさらわれた子どもをたすけたとしたら……傷をおいながら、ひっしになって、子どもをたすけたとしてさ、その子を母親のところにつれていってやったのに、母親が、こういったら、どんな気がする?――きっと、あなたには神さまがやどっておられたのですね。神さま、どうもありがとう……。」
バルサ天と地の守り人〈第3部〉 (偕成社ワンダーランド)」(上橋菜穂子偕成社ワンダーランド)p329より