なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

 今日のひとりごとに読書感想を追加。

  • イサナ 龍宮の闘いへ」海とともに生きる綿津見の民の巫女姫でありながら、いつも少年のかっこうをしているイサナが、前作(「イサナと不知火のきみ」)で知り合った不知火のきみの末裔とともに、戦いの場へおもむく。船の準備をするところが、細々と生活じみてて好きです。(「エルマーとりゅう」の冒険の準備してるみたいな)あれでいてイサナはしっかりと巫女してるし、そういう点においては真摯なんですよねー。異国の美少年、クレとのらぶらぶもみせどころー。

「それ以上勇ましくなられては、こちらがたまらん」
「タシカニ
ヒコナとクレ「イサナ 龍宮の闘いへ」(たつみや章講談社)p259より

  • 封殺鬼 鵺子ドリ鳴イタ (3) (ルルル文庫)」昭和初期の時代を舞台に、日本の影を支える陰陽道の家系、神島家の当主である14歳の神島桐子と、彼女に仕える二匹の鬼、そして「友達」候補の志郎の話。今回は桐子が自ら敵地に挑みます。あーもう、やっぱり封殺鬼はいいなー。シリアスにやっててもそれを聖がぶちこわし、どうやってもにやにやしてしまうような関係が楽しくてなりません。そういうところは「悪霊シリーズ」と似た雰囲気なのかも。大好きです。今回の新シリーズでは、ちょっと弓生が地味だけど、キャンバス文庫から出ていた旧シリーズでは活躍してますよー。べたべたしてない、須賀しのぶさんぐらいの少女ぽさなので、男性にも読みやすいと思います。というか桐子のツンはそうとうな破壊力かと(笑)。

「俺はあちら側を逃げ場にするつもりはないよ。自分の生きる場所から逃げ出すような人間は、あちらにだって居場所はない」
武見志郎「封殺鬼 鵺子ドリ鳴イタ (3) (ルルル文庫)」(霜島ケイ小学館ルルル文庫)p109より

  • 君たちに明日はない」リストラ専門の会社に勤める青年が、いろいろな会社で出会った、リストラ対象者との話の短編集。合間に入るセックス描写を除けば、とても面白かった。あれはいらんよー。それぞれの人の、ただ「仕事を一生懸命やろう」ではなく、仕事に対するスタンスを考えていく過程がとても興味深かった。まー、つまり自分もそういう時期にきているんだろう。

 他の人の感想を見たら、泣けたという感想が……ど、どのへんが泣けるのかさっぱり私にはわからない……。そーか、フツーの人はこれで泣けるのか……つぼが全く違うんだなあ……。自分が小説とか書いても絶対人気でないこと確定(笑)。

 泣くにしても人前では絶対に泣かないタイプ。おそらくは後刻、トイレの中あたりで、こっそりと悔し涙を流す。歳は関係ない。この手の女とは本来、いくつになってもそうしたものだ。のほほん育ちの男どもより、百万倍は気がきつい。
 村上真介「君たちに明日はない」(垣根涼介・新潮社)p27より

  • 京劇的無頼繚乱 (1) (宙コミック文庫)」香港マフィアの若き女当主とボディーガード、なんだけど簡単に恋愛方向にはいきません。ラストあたりでちょっと面白くなってきたので次も買うつもり。