読了本

• 「老検死官シリ先生がゆく (ヴィレッジブックス)」三十年前のラオスで、押し付けられた検死官の仕事をしている70歳超のシリ先生が主人公のミステリ。社会主義国家で、愚直に反抗するでもなく、だらだらと南国的な暮らしをしている先生が愛しい。面白かったー。というよりは、この雰囲気好き好きー。ただでさえ「大人げない」老人スキーなのに、シリ先生ったら全く私のタイプです。一見なんも考えてない看護婦、毎日繰り返し同じことをすることは大得意の青年とのデコボココンビもよい。コージーミステリに入るのかな？若竹七海さんの「〈葉崎市〉シリーズ」が好きな人はいいのではないかと。そのあたりが好きな人にお勧め！ヴィレッジブックスなんてあまり見ないところでしょうが、これはよかった。

• 「名探偵クマグスの冒険」希代の博物学者、南方熊楠がロンドン留学時代に様々な事件を博物学の観点からときほぐす話。装丁がわざと古書っぽくなっていますが、2008年に出たものです。id:teatreeさんの感想を読んで借りてみたのだが、確かにこれは面白い。続きが読みたいなー。クマグスの奇人ぶり、貧乏ぶりを見てるだけでも楽しいし、その博覧強記ぶりは圧巻。