なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • 「落照の獄」小野不由美さんによる「十二国記」世界の短編。「yom yom (ヨムヨム) 2009年 10月号 [雑誌]」収録。柳国の官吏が死刑制度について考えるの巻。これは十二国記でなくてもできるだろうけど(他のファンタジー世界でなんら問題ないと思う)、今の日本に置き換えて考えたら怖くなる話だった。「傾いて」いるかなんて怖くて考えたくないよなー。そういう考えは「切り捨てて」いかないと、生きていけないよ。ほんと。殺人鬼のこころは、意外と理解できるように描かれていたけれど、現実世界も同じなんだと考えるとやりきれない。自分がそうならないようにはできるかもしれないけれど、他の人までそうしてもらうようにできるかというと、難しいだろうなー……親とか教育現場の人とかはつらかろう。

 後記を追加。↓
 何への無力感かというと、「そう思っている人に何もしてやれない無力感」ではなくて、「そう思っている人ができてしまう無力感」です。なので、教育現場、という話に。自分としては、「そう思っている人」が、たとえその場でそう言おうとも、これから変わっていく余地はあると思います。口で言うことほど、凝り固まれるものじゃないから彼は「語って」いるわけで。本当に語り合う余地がないなら、彼は本当に語らないと思う。あきらめに対して語れるだけの力があれば、まだいけると思う。語れなくなってしまったら、もうかなりキツイと思いますが……。まあこれは物語だから語ってもらわないと話にならないので語っている部分があるんだろうと思います。