なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • クシエルの矢〈3〉森と狼の凍土 (ハヤカワ文庫FT)」高級娼婦兼スパイとなるべくして育てられたフェードル(真性のM)が主人公。娼婦が神聖なるものという神話がある国で、天使様にお使えすること=娼婦としての仕事をすることという倫理観がある。第一部完結巻。そして戦争へ。他国への使者として出向くフェードルを待ち受けていた運命とは?中盤まではんー、ふつうー?と思っていたのですが、き、キター。まずはここまで、単なる「親友」「心の支え」だったヒヤシンスにスポットが当てられて、そしてジョスランのラストにかけての成長っぷりといったら!たまらんー。ジョスランの変貌がここまでいくとは、誰も予想できなかったと思いますよ!かっちょい〜!フェードルについての設定が生かされっぷりも凄い。そうくるか!と思いました。これを最初から考えて設定したんならすごいなあ、作者。処女作でこれかよ……。戦争を正面から描いたのも魅力的でした。さすがに主人公は戦争自体で戦ったりはしないのですが(戦闘タイプではないので)、ある意味戦います。ラストは思いっきり引きでしたが、既に続編の一巻も出ているので、買おうっと。(^^)

「カシエル様の御名にかけて」これ以上ないほど落ち着き払った声でそう述べた。「保護奉仕こそわが務め」
クシエルの矢〈3〉森と狼の凍土 (ハヤカワ文庫FT)」(ジャクリーン・ケアリー・和爾桃子訳・早川文庫FT)p425より

  • リンゴの丘のベッツィー」百年前のアメリカの田舎が舞台。おばさんの家では過保護にされたためひよわな子だったベッツィーは、いきなり見知らぬ家に預けられた。その家で放任されることによって少しずつベッツィーの中で眠っていたものが目覚め出す。放任されてはいるけれど、放置ではなくて、きちんと大人が見守ってくれている感じがする。そこですくすくと育つベッツィーが魅力的です。大草原の小さな家シリーズが好きな人にはぜひともおすすめしたい。という続きよみてー!大河シリーズにしてほしー!もう百年前の作品なので無理ですけど(笑)。