なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

少女小説・異世界恋愛ものオムニバスストーリー

 少女向けライトノベルには、いくつか異世界なんだけど不思議要素のない、ある意味架空歴史物な楽しみもある王宮恋愛もののオムニバスシリーズ(ほぼ全て一巻完結で、他の話と話が続いていない)があります。私が読んでいるシリーズは、だいたい最新刊に追いついたので、面白いものを抜き取ってご紹介したいと思います。
 ハーレクインと少女小説の間のような話かなーと思います。(全て年齢制限なし)自分の好みとしては、ロマンス/悲劇色が濃すぎると拒否感が出てしまうので、ある程度歴史ものとか政争ものの要素があったり、コメディが入っていたりすると、面白く感じるようです。あとは個人的に男装ものとか。あとは、政略結婚がほとんどなので、他の人のいいなりな女の子の方が喜ばれるはずのところをどれだけがんばれるか、という挑戦も面白いのかも。

 私が知っている中では、こういうシリーズの中では一番古いものだと思います。中国風な世界にある鸞国という国の「夢の宮」という名の後宮が出てきたり出てこなかったり(笑)するシリーズです。巻によって悲劇あり、コメディあり、といろいろな雰囲気の物語が味わえます。
 こちらについては、別に書いた記事があるので、そちらでご覧下さい。→http://d.hatena.ne.jp/psycheN/20091023#p1

 なんとなく中華風の異世界での歴史恋愛もの。メインはシリアス・ロマンス・悲劇な話なのですが、私はコメディの方が気に入りました。
「春夢の花嫁 珠閣雷鳴」16歳でありながら医師として働いている珠華は、目覚めると王宮にいた。周囲の者は自分を公主として扱う。これは夢?自分も甘やかさない、他人も甘やかさない(笑)ところが楽しかった!

「夢なら、あたしのやりたいように、やらせてもらうわ! 文句があるなら、あたしをここから出しなさい!!」
珠華「春夢の花嫁 珠閣雷鳴 (講談社X文庫ホワイトハート)」(森崎朝香・講談社X文庫ホワイトハート)p102より

春夢の花嫁 珠閣雷鳴 (講談社X文庫ホワイトハート)

 ヨーロッパ〜西アジア風で、一番歴史・政治物っぽさが強いかと思います。王家の子女にしては、かなり視点が高くていろいろなものを見渡すことができるところが快感。
「そして花嫁は恋を知る 黄土の大地を潤す姫」急きょ隣国へ嫁ぐことになったアンナマリア。賢い妹のほどには期待されていない自分に幻滅しながらも向かったかの国の王は、冷酷で残酷な人だった?政略結婚で始まる恋愛です。王様が意外と可愛い人で面白かった。
そして花嫁は恋を知る 黄土の大地を潤す姫 (そして花嫁は恋を知るシリーズ) (コバルト文庫)

 恋愛色が一番薄くて、かつ近代西洋が舞台です。
「薔薇の戴冠 クラシカルロマン」地方貴族の子女として育ったエティは、実は王の庶子だった。王位継承者として王城に行くことになってしまったエティ。彼女の運命は……。政治の世界に生きることになってしまった女の子のお話。雰囲気ある描写がよかったです。
薔薇の戴冠 クラシカルロマン (ルルル文庫)