なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

2010年度に私が読んだ新人小説ベスト3

“菜々子さん”の戯曲 Nの悲劇と縛られた僕」(高木敦史角川スニーカー文庫
“菜々子さん”の戯曲  Nの悲劇と縛られた僕 (角川スニーカー文庫)
 「持病」を抱えるため、周囲からは嫌われず、好感度高いのに、実はちょっと「陰険」?な菜々子さん。菜々子さんが通っている病院にいるのは誰なのか……。逆転の逆転、なほんとのラストはなるほどねー、と思った。よいラストノベルミステリ。そして新人とは思えない安定感。黒「リンネ」かも。

「つまりあなたの性格――面倒なことはやり過ごして、結果を見てから判断しようかなっていう性格ね、それならまあ仕方ないかなって。わたし、あなたのそういう性格はわりとよいと思っているし、自分も似たところあるしね。」
菜々子さん「“菜々子さん”の戯曲 Nの悲劇と縛られた僕 (角川スニーカー文庫)」(高木敦史角川スニーカー文庫)p169より

「女王家の華燭」(葵木あんね・小学館ルルル文庫
女王家の華燭 (ルルル文庫)
 敵国に婿入りすることになった第三公子。行く前はゆううつだったが、二人は運命の出会いと感じた。最初はぶつかりあっていたのに、公子がおっとりした感じがよい障壁になってよいい効果。らぶらぶ好きに人にはおすすめ。面白かったです。

「風の島の竜使い」(片倉一・中央公論新社C・NovelsFantasia)
風の島の竜使い (C・NOVELSファンタジア)
 女だてらに竜使いをしているレラシウが幼馴染の竜使いに嫁いだはいいが、竜使いはやめた方がいいと言われて大げんか。夫のいない間に受けた仕事で別の街に向かった途中で思わぬ事態が起きる。最初はカタカナだらけの用語に困惑しましたが、読んでいくにつれて若夫婦のやりとりがどんどん面白くなってきた。竜に対する竜使いの態度が一貫していて読んでいて違和感なく読むことができました。特に竜好きにはおすすめ。「ドラゴンファーム」が似た傾向の話かも。

「幸運は続きません」
レラシウ「風の島の竜使い (C・NOVELSファンタジア)」(片倉一・中央公論新社C NovelsFantasia)p185より