- 「幽霊伯爵の花嫁 (ルルル文庫)」「幽霊伯爵」の元へ17人目の花嫁になることになったサアラ。一見、美貌を堂々と自慢する鼻持ちならない娘だったが、彼女は相当の変わり者で……。とことん正直なんだけど、自分自身についてはかなり正直でない、少女小説の主人公らしからぬ「天然さ」も持ち合わせていないヒロイン、サアラがとても面白く読めました。これはかなり予想できないキャラクターだわ。いざというときにはがぶだし(笑)。それに比べて、ヒーローの影が薄いかな。まあしかたないか……。最近読んだ新人さんでは一番面白かった。一筋縄ではいかないキャラを読みたいなら、おすすめです。そんな知りもしない相手のこと好きになれる訳ないとか、少女小説の王道への突っ込みをしてくれるのがまた痛快。
「簡単な理由ですわよ。私があなたに近付こうとするのは、私があなたを全く好きではないからですわ」
サアラ「幽霊伯爵の花嫁 (ルルル文庫)」(宮野美嘉・小学館ルルル文庫)p124より
- 「エルの幻想曲(ファンタジア)―オルデンベルク探偵事務所録 (C・NOVELSファンタジア)」狼少年のエルの冒険。