読了本

• 「神の獣と天の華 銀箱が呼んだ迷子の神サマ (ビーズログ文庫)」漢薬屋の娘、天華は漢薬が大好きだったが、父の死から漢薬に手を触れなくなってしまった。天華は街でなくしものをしたという青年と少年と出会うが、それは父の形見の「中」に入っていて取り出せない。中華風異世界ファンタジー。天界とかあるみたい。ところどころ用語とか気になるものはあったり*1、なんで隠していたかがよくわからないところはあるものの、それぞれに事情がある感じがなかなか面白かった。特に炎駒がけなげで。このあとは十匹揃える方向なのかな？

• 「寒中の花こらしめ屋お蝶花暦」その正義感ときっぷの良さや美貌＋腕っ節の強さで、「こらしめ屋」として有名なお蝶の事件簿。市井の一人でしかないので、捕まえても警吏に届けるかは別、というのがよいところ。その人が更生できる道を探すお蝶さんです。浮穴みみのデビュー作もなかなか面白かったけど、これもよかった。将来が楽しみな作者だ。特に表題作の体格でかいおちまさんがプリティー。

　お蝶は死にたいなんて思ったことはない。しかし時折、ふっと呼ばれたようにどこかへ行きたくなることがある。きれいきっぱり身の回りを片付けて、跡形もなく消えたくなることがある。
「寒中の花こらしめ屋お蝶花暦」（浮穴みみ・双葉社）p133より

*1:なんで薬に「漢」とつくのかよくわからなかった。中国内ではただの「薬」では？