少女系ライトノベル・最近の新人さん
少女系ライトノベルでの、最近五年くらいにデビューされた新人さんのおすすめです。
・宮野美嘉さん
「幽霊伯爵の花嫁」「幽霊伯爵」の元へ17人目の花嫁になることになったサアラ。一見、美貌を堂々と自慢する鼻持ちならない娘だったが、彼女は相当の変わり者で……。とことん正直なんだけど、自分自身についてはかなり正直でない、少女小説の主人公らしい「天然さ」も持ち合わせていないヒロイン、サアラがとても面白く読めました。そんな知りもしない相手のこと好きになれる訳ないとか、少女小説の王道への突っ込みをしてくれるのがまた痛快。
「簡単な理由ですわよ。私があなたに近付こうとするのは、私があなたを全く好きではないからですわ」
サアラ「幽霊伯爵の花嫁 (小学館ルルル文庫)」(宮野美嘉・小学館ルルル文庫)p124より
・木村千世さん
「双界幻幽伝」幽鬼を見ることのできるが、生きている人が怖いといってひきこもりまくりの朧月を、さらうようにして連れ去った武人の目的は?ミステリ要素もあり。「珍獣系」ヒロインがびくびく面白です。
・和泉統子さん
「姫君返上!」庶民出の母親の立場を守るため、姫君として育てられた少年は、もうすぐ「死んで」、一庶民として暮らすはずだったが、第一皇子が失踪したりして、ごたごたしていてなかなか死ねない。受難系ヒーローでありながらヒロインのアレクがかっこよく、そしてその兄姉がそれぞれに素晴らしくよいキャラ。特に姉のラブコメにはまる方続出。五巻完結。
・夕鷺かのうさん
強烈なキャラクターと、しっかりとしたファンタジー設定が読ませます。最近はラブコメ方面もがんばっています。自分的には一番注目している方。
・西東行さん
異世界ファンタジー系の新人作家さんとしては、一押し!硬質な世界観がとても綺麗です。残念ながら、講談社X文庫ホワイトハートからはもう出版されないとのことですが、他の出版社から出ることを望みたいです。
架空の東 空想の西というサイトで、シリーズの続編を書かれています。
・柚木空さん
「シャーレンブレン物語」<癒し>の力を持たない<癒し姫>に仕える、神殿医師見習いのミナワ。ファンタジー無しの異世界もの。なんか全編が地味なんだけど、なんか好きなシリーズ。ミナワと二人の男性は、恋仲というよりは兄妹というような距離感なので、とちゅうまでは恋愛もないのですが、なんか居心地がよくて好きです。全六巻。
「この国を守ってきたのは<癒し姫>じゃない。ミナワのような、志をもった、たくさんの人達の努力だ」
ユリウス「シャーレンブレン物語 はじまりの約束 (ルルル文庫)」(柚木空・小学館ルルル文庫)p148より
・嬉野君さん
デビュー作は現代ものでしたが、最新作はSF。それぞれ、どんでんがえしがあったり、とっぴょーしもないキャラがいたりと面白いですが、特に最新作でのジャンプがすさまじいです。おすすめ。
・薙野ゆいらさん
「金蘭の王国」湿ノ力を持つ淵妖に対抗するための乾ノ力が均衡を保っている世界。国にあふれてきた淵妖を退治するため、幼馴染の三人は旅に出た。彼らの「罪」をつぐなうため……。毒薬大好き!な主人公のラブコメ。ラストはかなりシリアスでした。
「魔法書の姫は恋をする」不思議な力を秘めた<真書>を読むことのできるソフィアは、<真書>を求める秘密組織に入った。大学に通いながら、<真書>をアレクシスたちと探す。兄も入ってきて、ラブコメが混戦気味でものすごく面白いっす。
・宇津田晴さん
異世界ラブコメが楽しい作家さんですが、個人的には、シスコンな兄弟がツボ(笑)。
一押しは「花嫁恋芝居」天然姫様の暴走っぷりがすさまじいです。従者スキーにもおすすめなキャラ有。