なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

少年系ライトノベル・最近の新人さん

 少年系ライトノベル(新書等含む)での、最近五年くらいにデビューされた新人さんのおすすめです。
やのゆいさん
わたしと男子と思春期妄想の彼女たち 1 リア中ですが何か? (ファミ通文庫)わたしと男子と思春期妄想の彼女たち 2 外泊ですが何か? (ファミ通文庫)わたしと男子と思春期妄想の彼女たち 3 ラブメイドですが何か? (ファミ通文庫)
 「わたしと男子と思春期妄想の彼女たち」あすみは、ヘンな虚無僧からもらったコンタクトをつけると、男子につきものの「妄想少女」を見ることができるようになってしまった!あすみはめっちゃお人好しというよりは、自分の周囲にいるひとを、限りなく愛してしまうため、妄想彼女たちや女子までも大好きで、周囲の女子たちもそれにどきっとしてしまうというところがどうしようもなく私好み。

伴名練さん
少女禁区 (角川ホラー文庫)
 「少女禁区」と「chocolate blood, bisuit hearts.」の二編収録。恒川光太郎ライトノベル化したような感覚だった。乙一もちょい近いかなあ。ダークな味が好きなライトノベル読者ならおすすめです。

大間九郎さん
ファンダ・メンダ・マウス (このライトノベルがすごい!文庫)ファンダ・メンダ・マウス2 (このライトノベルがすごい!文庫) (このライトノベルがすごい!文庫)
 「ファンダ・メンタ・マウス」姉に執着されているがなんとか生きているマウス。醜い彼に、いきなり「結婚してください」と行ってきたのはかつての恩師?の娘で……。なーんてあらすじでは語れないような内容でした。物語が転がってくるに従ってなんか面白くなってきて、マウスの生き方が痛快ででもどこかさみしい感じがよいです。

鳥村居子さん
雑魚神様 (メガミ文庫)
 「雑魚神様」元は天照神に仕えていた「八咫烏」は、現在は名も知れぬ力の無い神に仕えている。しかし、彼女は人間嫌いの神嫌い、ひきこもりの神様だった。人間と神との関係性が面白かった。和風伝奇もの好きなら読んで面白いのではないかと思います。

片倉一さん
風の島の竜使い (C・NOVELSファンタジア)
 「風の島の竜使い」女だてらに竜使いをしているレラシウが幼馴染の竜使いに嫁いだはいいが、竜使いはやめた方がいいと言われて大げんか。夫のいない間に受けた仕事で別の街に向かった途中で思わぬ事態が起きる。特に竜好きにはおすすめ。「竜飼いの紋章―ドラゴンファーム〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)」が似た傾向の話かも。


江波光則さん
ストレンジボイス (ガガガ文庫)パニッシュメント (ガガガ文庫)
 「ストレンジボイス」いじめられて学校に来なくなった同級生は、再会した時には様変わりし、いじめていた子を殺すと言った。「観察」することに偏執的な興味を持つ「わたし」は、二人を追うことにしたが……。ダークな設定の中、起きる出来事をただ見ていく少女の姿がいびつで、面白かったです。ダークな話が好きな人にはおすすめ。二作目も、宗教がテーマの全く萌えでない話でした(笑)。

河野裕さん
サクラダリセット  CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY (角川スニーカー文庫)サクラダリセット5  ONE HAND EDEN (角川スニーカー文庫)
 「サクラダリセット」異能者たちが現れてきた咲良田市では、「管理局」が異能者たちを取り締まっている。「管理局」に目をつけられているケイと美空、その能力からペア扱いされ、二人で管理局からの依頼をこなしている。美空が「リセット」ということにより、世界は「セープポイント」まで巻き戻す。乙一米澤穂信を想起する流れるような透明感のある文章なので、女性にもおすすめです。きれいなだけではないセカイが、見たい人におすすめです。

石川博品さん
耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳 (ファミ通文庫)耳刈ネルリと奪われた七人の花婿 (ファミ通文庫)耳刈ネルリと十一人の一年十一組 (ファミ通文庫)
 「耳刈ネルリシリーズ」王太女のネルリと同級になった学生たちのお話。ラブコメではなく、妄想ありの異世界学園コメディ。

張間ミカさん
楽園まで (徳間文庫)星をさがして (トクマ・ノベルズEdge)
 「楽園まで」雪に閉ざされた世界で、<悪魔>と呼ばれる異能者である双子は、楽園を目指して旅を続けていた。<悪魔>を追う狩人たちが二人を見つけて……。ストーリーはわりとストレートな感じなのだけれど、文章の雰囲気と情景描写がとてもよい。さくさくと音をたてて雪を踏みしめて歩いていく姿が印象的でした。

滝川廉治さん
超人間・岩村 (スーパーダッシュ文庫)テルミー きみがやろうとしている事は (スーパーダッシュ文庫)テルミー 2 きみをおもうきもち (スーパーダッシュ文庫)
 「テルミー」誰にとっても「悲劇」に違いないことが起きた。予告の無い死を前にして、どうするか。そんなことを考えさせられる話でした。「死を想う」物語としておすすめです。

唐辺葉介さん
PSYCHE (プシュケ) (スクウェア・エニックス・ノベルズ)犬憑きさん 上巻 (スクウェア・エニックス・ノベルズ)犬憑きさん 下巻 (スクウェア・エニックス・ノベルズ)ドッペルゲンガーの恋人 (星海社FICTIONS)
 どこまでが悪夢なのか、どこからが現実なのか、現実が一番の悪夢なんじゃないのか、自分が生きていることが夢なんじゃないのか、その境目がゆらぐ感じが他にない感じで好きです。乙一さん、恒川光太郎さんあたりのダークな物語も好きな方にはおすすめ。