2011年に読んだマンガベスト5
・「ウチで、お茶でも。」(月崗ヤスコ・白泉社花とゆめコミックス)
家を失って野宿していたいちえを拾ったのは、隣のクラスの無表情イケメンの内くん。内くんの家の四人兄弟と同居することになって……。新人さんです。このあらすじからはおよそ想像できないぐらい「どきっ☆」な感じではなく(笑)、実に白泉社らしい、のほほんとしつつも心にぐっとくる作品です。そしてそして、ねぼけ(無自覚)エロい内くん素晴らしい!(笑)
「もー心配!!心配で涎(よだれ)が止まんない……!!!」
「ウチで、お茶でも。 (花とゆめCOMICS)」(月崗ヤスコ・白泉社花とゆめコミックス)p48より
・「紫乃先生〆切前!」1巻(王嶋環・芳文社まんがタイムコミックス)
作家の紫乃先生は、その美貌を前面に出して売っているし、自分の綺麗なところが大好きなんだけど、作家としてもすぐれた作品を出している。弟のぼくは、そんな紫乃先生がじれったくて見ていられない。弟としてこき使われながらも(笑)、そんなところにやきもき。紫乃先生→担当編集者の片思い?がいけてる!この関係性すげーいい!
「どうせ(原稿を取りに来る)僕のことばかり考えてしまうんでしょう?」
「紫乃先生〆切前!(1) (まんがタイムコミックス)」(王嶋環・芳文社まんがタイムコミックス)p52より
・「繕い裁つ人」1・2巻(池辺葵・講談社KCデラックス)
祖母の後を継ぎ、洋服のリフォームやオーダーメイドを請け負う店を営んでいる女性が主人公。洋服のリフォームってだけでもうすいぜんものですが、淡々とした中での洋服、それ以上の愛情が感じられました。「いい話」ではなく、苦い部分もありつつ、なんとか生きている人たちの話です。
・「25時のバカンス 市川春子作品集2」(市川春子・講談社コミックスアフタヌーン)
SF短編集。絵柄よりもなによりも、その圧倒的なセンスが無二だなあと思います。SF好きなら特におすすめですけど、そうでない人もSFに興味を持てるのでは。
・「坂の上の魔法使い」「無二の王 坂の上の魔法使い2」(明治カナ子・大洋図書ミリオンコミックスHertz Series)
町はずれに住んでいる魔法使いのリー様に仕えている少年の毎日。一応BLレーベルですが、ラスト以外はほとんどないですし、少年が……ということにはなりません。淡々とした感じのなかの切ない感じが上手い。絵柄がどーのよりも、レベルの高いファンタジー度合いにほれました。