なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • 仮面の貴族2 (道化の使命) (創元推理文庫)」「仮面の貴族3 (道化の使命) (創元推理文庫)」かつてこの国を救った英雄を助けた存在でありながら、その身を隠し、孤独に生きるフィッツ。次から次へと起こる困難の中、ついに倒れる!?どどどんだけツンデレツンデレ祭りか!というくらいフィッツ倒れる!の場面は笑った……!シェイドはまーツンデレなのはわかってたけど、マジデレきたよ!お前どんだけデレやねん!ぐらい。終いにゃーすね中の道化まで……うぷぷぷ。ケトリッケンも安定して素敵。今はケトリッケンが一番安心してみていられるわ〜。……と、まあ叫びたいのはこの辺にしておいて。本当に面白くて、もっと次が読みたくて仕方がない。読み終わりたくないけどでも読みたい。いやー、読んでる間楽しくて幸せだった!

 <道化の使命>シリーズの醍醐味は、前シリーズにも劣らない試練を課されたフィッツが、まあすんなり死んだりするわけもなく(この作者=サド様は、死ぬよりひどい目にフィッツをあわすに違いない)、あいかわらずひどいめにあいながらも、前作に自分が受けたような「育てる」という行為を次の世代にするというところです。あいつもこいつも……え、あんたも?というぐらい教える相手が増えていく(笑)。そして、どーせ俺は一人なんだーみたいにすねていた彼が、どんだけ愛されてるか、ということにちょっと気づく……気づいてるよね?(笑)ところもあり。主人公、慎重に慎重を期する+どんだけ後ろ向きさ!という性格なので、自己評価がバカ低い。あんたどんだけ自分を費やしてあげたと思ってんのさ〜そりゃー好かれるよ〜。面白いのはそこだけではなくて、説明が難しいのですが……主人公が主人公らしくないのも、その要因の一つだと思います。「かっこいい!」存在ではなくて、劣っているところがたくさんあって、でもすごいところもすごくあって、何より真摯で、他人なんてもう見捨てればいいのにできなくて、だからといって愚痴は心の中ぐらいにしておく。読み進めていくと、彼は「物語」の「主人公」ではなくて「触媒」なのだというのがよくわかってくるのです。
 読むなら、前シリーズの「騎士(シヴァルリ)の息子 上 <ファーシーアの一族> (創元推理文庫)」からがおすすめです。てゆーか、続きでないと困るんですけど!(^_^;;)

「泥も苦痛も不幸もなしにそんなふうに語られると、すばらしい物語のように聞こえる」
「泥と苦痛と不幸もを伴おうと、これはすばらしい物語なのだよ」
フィッツとシェイド「仮面の貴族2 (道化の使命) (創元推理文庫)」(ロビン・ボブ・鍛冶靖子訳・創元推理文庫)p150より

<見張りを頼む、ナイトアイズ>
フィッツ「仮面の貴族3 (道化の使命) (創元推理文庫)」(ロビン・ボブ・鍛冶靖子訳・創元推理文庫)p77より