読了本
- 「長弓戯画 (うさ・かめ事件簿) (ミステリ・フロンティア)」殺人事件の凶器は……和弓?人気少女漫画家だけど、リアルではオネエ系のへなちょこ先生と、敏腕(腕力的に)編集者のカメちゃんのでこぼこコージーミステリ。田舎刑事の方ってこーゆーの書くんだー。あっちも読んでみよう。
- 「ハンナの記憶 I may forgive you」認知症になったから老人ホームに入る前に、ということで一時的に家に来た祖母。祖母宛のクリスマスカードには、ハンナという人から「I may forgive you.」と書かれていた。戦中を日本で生き延びたハンナと祖母は親友だったらしいが、かつての彼女たちに何があったのか。読み始めたら引き込まれてしまって最後まで一気に読了。最近、こういう昔の時代と現代とをいったりきたりする物語が多いような気がするけれど、やはり昔の方が空気が濃密。ひとつのミスが危険だったりするからかも。しかし、今回は現代が2011年3月。何が信じられるのかわからない空気が、いっそう彼らを過去へ結びつけるというのがよくわかる。
「おばあちゃん、そのうちハンナのことまで忘れちゃうよ。悲しい思い出のまま終わっちゃうなんて、残酷すぎるよ」
「ハンナの記憶 I may forgive you」(長江優子・講談社)p198より
- 「おもひでまほら (フラワーコミックス〔スペシャル〕)」現代ホラー短編集。少女コミックっぽくない、しっとりとした空気感がある。絵柄があまり好みではないのがちょっと残念。