なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

少女小説らしからぬ主人公*1

 少女小説の主人公といえば、「純粋・素直・天然」といった印象が強いですが、その枠に収まらない主人公の少女小説のおすすめです。

  • 「幽霊伯爵の花嫁」(宮野美嘉・小学館ルルル文庫)とことん「利己的」で、「自分に利益のある」ことを常にするサアラが、17人目の花嫁として伯爵家に嫁入り。しかし伯爵は彼女に冷たく当たり……。裏があるというのでもなく、自分に正直ではあるんだげと、その「正直」さがとことん少女小説の正道とは違う方向なのがとても楽しめました。いきなり暴力?に走るところとか、過激なところとかもありですが、通常の主人公とは違う方向もアリであればぜひご一読を。

幽霊伯爵の花嫁 (小学館ルルル文庫)幽霊伯爵の花嫁-首切り魔と乙女の輪舞曲- (ルルル文庫)幽霊伯爵の花嫁 囚われの姫君と怨嗟の夜会 (ルルル文庫)幽霊伯爵の花嫁 偽りの聖女と地下牢の怪人 (ルルル文庫)
幽霊伯爵の花嫁 -悪魔の罪過と忘れられた愛嬢- (ルルル文庫)幽霊伯爵の花嫁 -彷徨う少女と踊る髑髏の秘密- (ルルル文庫)幽霊伯爵の花嫁 -闇黒の魔女と終焉の歌- (ルルル文庫)

  • 「デ・コスタ家の優雅な獣」(喜多みどり・角川ビーンズ文庫)マフィアの幹部のような家に引き取られた少女。だが彼女は甘やかされるだけでは生きていけないことに気づき、「悪いこと」を始めてしまう……。臆病系ヒロインがびくびくしながらも「悪いこと」に手を染めていくのが快感。

デ・コスタ家の優雅な獣 (角川ビーンズ文庫)デ・コスタ家の優雅な獣2 (角川ビーンズ文庫)デ・コスタ家の優雅な獣 3 (角川ビーンズ文庫)デ・コスタ家の優雅な獣4 (角川ビーンズ文庫)

  • 「世界画廊の住人」(栗原ちひろ幻狼ファンタジアノベルス錬金術者見習いのセツリは、この世界では珍しい「画家」と出会ってしまった。彼はセツリのことを、「世界画廊の管理人」だと言うが……。世界に隠された秘密を、セツリは解きあかすことができるのか?素直!ではない男性を主人公にした物語が、栗原さんはうまいなーと思います。「オペラシリーズ」(角川ビーンズ文庫)もその系統。ファンタジー読みとして面白かった。画廊がテーマというのも珍しいです。

世界画廊の住人 (幻狼ファンタジアノベルス)世界画廊の住人―地下迷宮の物語 (幻狼ファンタジアノベルス)

  • 「妓楼には鍵の姫が住まう」(水瀬桂子・三笠書房f-Clan文庫)幼い頃に死の淵から生き返ったためか、死者を見ることのできる誠二。「誠のない男」としてぶらぶらと毎日を過ごしていた。しかし、不思議な美少女と出会い、死んだかつての女の死の理由をつきとめようと決意する。誠二は情熱もなくふらふらしている青年です。

妓楼には鍵の姫が住まう -死人視の男- (f‐Clan文庫)妓楼には鍵の姫が住まう -黄泉がえりの人形- (f-Clan文庫)

  • 「アンゲルゼ」(須賀しのぶ集英社コバルト文庫)人間との戦いを続ける異形、アンゲルゼ。一人でただのこどもでいた陽菜は、その争いに巻き込まれるだけではなく、中心人物となっていく。セカイ系の世界観にものすごい勢いでとりこまれていった一人の少女が、異形に変貌していく様を見届けることができました。

アンゲルゼ 孵らぬ者たちの箱庭 (アンゲルゼシリーズ) (コバルト文庫)アンゲルゼ 最後の夏 (アンゲルゼシリーズ) (コバルト文庫)アンゲルゼ ひびわれた世界と少年の恋 (アンゲルゼシリーズ) (コバルト文庫)アンゲルゼ  永遠の君に誓う (アンゲルゼシリーズ) (コバルト文庫)