読了本
- 「首の姫と首なし騎士 奪われし花嫁 (角川ビーンズ文庫)」インドア派で積極的なわけがない末っ子の一応姫が、政争の真っただ中でたちすくむのではなく、しっかりと見据える物語。主人公のシャーロットの、おとなしいわけではなく、冷めているわけでもなく、理性的だけど情がないわけでもない視点が面白いけど地味、なシリーズ、エルマー家編完結。もーシリアス展開がとまらないのがこわかったけど、よーやく助けが来てほっとした……。読む前まで、シリーズ完結だと思ってた(笑)。そーだよね。王選んでないよね(笑)。いやー、好きだなー、このシリーズ。地味だけど。まったく主人公がきゃぴきゃぴしていないし、普段少女小説を読まない方でもおすすめです。
――確かにここに"姫"は要らない。戦いを知る者の世界だ。
「首の姫と首なし騎士 奪われし花嫁 (角川ビーンズ文庫)」(睦月けい・角川ビーンズ文庫)p178より
- 「ダブル・エンゲージ 偽りの姫は騎士と踊る (一迅社文庫アイリス)」父王を殺され、国を追われた王女が幼馴染の女騎士とともに旅立つお話。なんと百合。
- 「アタシの先生。 (コバルト文庫)」再読。隣に住んでいるセンセーは、実は陰陽師だった!というお話。なかなか女子高校生がかわいい。ポストペット……なつかしい(笑)。
「……女の子の意志って強くて我が儘で、男の人にどうこうできるものじゃないんだよ」
「アタシの先生。 (コバルト文庫)」(渡瀬桂子・集英社コバルト文庫)p160より
- 「妖かしの子 (ハルキ文庫 ち 2-2)」妖の力を得た夏野は、修行のため都から離れていたが……。「妖国の剣士 (ハルキ文庫 ち 2-1)」の続編。……ぞ、続編出すなら言ってよ!いきなり文庫とかなしよ!と見たときびびりました。物語は、妖と人間、親子、家族であること、そのつながりと断絶が描かれていました。女だてらに剣士である夏野が初々しくて魅力的ですが、次第に女性らしくなってきて、この後どのような道を選んでいくのかに注目です。
「本当の親がいたってね、子供は何度でも迷うもんなんだ」
「妖かしの子 (ハルキ文庫 ち 2-2)」(知野みさき・角川春樹事務所ハルキ文庫)p318より
- 「不良少年と彼女の関係 (メディアワークス文庫)」祖父の遺品を取りに行った先で、祖父が面倒をみていたお嬢様の「執事」になることになった不良くん。ノリ突っ込みができるお嬢様で楽しく読めました。不良は不良で、すっごくやさしい目をしていそうな感じがまたたまらん。
- 「うそカノ 2 (花とゆめCOMICS)」うその彼女から、ホンモノの彼女に……なったんだよね!?という状態の二人。なんつーかわいい……(もだもだ)。私も、和久井になって入谷をいぢめたい!!!(あれ?)林みかせさんは前から好きだけど、このシリーズむちゃくちゃ面白いなあ。おすすめです。
- 「箱庭ロワイヤル (花とゆめCOMICS)」スマホゲームであるMMORPG「箱庭」の有名プレーヤー、レオと彼に憧れてゲームを始めたメイ。二人は現実世界では、実は「もてもて男」と「いいんちょ」なんだけど、彼は彼女の正体を知らない……。デビュー作も覚えていました。この新人さん好きだー。レオの素直ないい男の子なんだけど、それが綺麗にはまっていて楽しく読めました。もちろん、素直でいられない「いいんちょ」もめっちゃかわいい!おすすめの新人さんです。
- 「川原泉傑作集 ワタシの川原泉II (花とゆめCOMICSスペシャル)」川原泉さんの短編から、人気投票で選ばれた短編集。さすがにいずれも傑作揃いです。私が一番好きな「ヴァンデミエール」が入っていてとてもうれしかった。こどもの顔と大人の顔、そして思い出した顔と、それぞれの顔がぐっときます。ただしあわせそうににたー、としている絵だけではないんだ、という川原さんの作品をお楽しみください。