2013年度に私が読んだYA小説ベスト3
・「時間旅行者の系譜シリーズ」(ケルスティン・ギア・遠山明子訳・東京創元社)
いかにもなロンドンの現代っ子グウェンドリンは、ある日いきなりのタイムスリップ。「時間旅行者」の管理をしている団体にひきずりこまれていった先では、パーフェクトな美少年がパートナーとなって……ロンドンが舞台の時代YAラブコメ+SFミステリ。いろんなジャンルの要素をいれつつも、しっかりとしたYAラブコメが楽しくてたまらないシリーズでした。三巻完結なのがもったいないぐらい。
・「あたたかい水の出るところ」(木地雅映子・光文社)
お風呂が大好きで、将来のことなんて考えたくない。家の中はばらばらだけど、まあもっとひどいとこもあるし〜と思っていた高校生が、あることで自分の中がばらばらになって、それから……というお話。ほやほやしたものだけで、世界はできていないけれど、そういうものもあるのは、そのこが今までやってきたことがあるからだよね。ちょっと痛い話も好きな方におすすめです。
人生は、好きなものがひとつあれば、生きるに値する。
「あたたかい水の出るところ」(木地雅映子・光文社)p212より
・「レイクショア・クロニクルシリーズ」(スーザン・ウィッグス・ハーレクイン社MIRA文庫)
大人になった主人公たちが、かつてサマーキャンプで過ごした若い時代を思い出しつつ、今のYAたちの悩みもあり、思いっきりシングルマザーが多いという、海外ロマンスにあるまじき、そしてものすごく面白かったシリーズ。
「変わらぬ愛や幸福な結婚生活は、宝くじに当たるように運だけで手に入るものではないのよ。自分たちで築きあげ、はぐくんでいかなくてはならないの。努力だって必要だわ。温泉に入ってぬくぬくと至福の状態にひたるのとはわけが違うのよ」
「あの夏、湖面にまばゆく (MIRA文庫)」(スーザン・ウィッグス・霜月桂訳・ハーレクインMIRA文庫)p570より