読了本

• 「幕が上がる」高校の演劇部を舞台とした作品。作者が平田オリザさんということで、かなり「現場を知っている人」の立場から描かれているんだろうなーと期待して読み始めました。主人公の部長は、そんなに真剣に取り組んでいなかった部活から、元女優の先生が赴任してからどんどんと演劇にのめり込んでいきます。もともとが彼女も詳しくないだけに、すんなりはいっていけました。ラストに向かっての彼女の成長っぷりは頼もしいけど、友情面ではその分あまりもりあがらなかった。残念。「舞台監督」視点としては、面白い物語でした。

• 「桃ノ木坂互助会 (文芸書)」川瀬七緒さんの新刊。町内の問題児たちを追い出すために工作をしている「互助会」新たなメンバーを加え、精力的に活動しようとしていたとき、手ごわい相手にでくわし……。川瀬七緒さんが町内ものってどーゆーこと？と思って読み始めたら、いやー、ダークだわ〜。自分が心理学を勉強していた、というとよく引かれるのですが(^^;)、それをフルに活かしたような役回りが快感でした。「ダークヒロイン」ではあるけどね〜。