読了本
- 「図書室の魔法 上 (創元SF文庫)」「図書室の魔法 下 (創元SF文庫)」双子の片割れを亡くし、母親から逃げるようにして新しい場所で暮らすことになった少女。入れられた寄宿学校はスポーツが盛んで、読書が唯一の趣味の彼女にとっては、友達一人つくることができない場所だった。おそらく外から見たら「ぶーたれてる」彼女が読書に夢中になっている姿が、自分を思い出させて痛いけれど、楽しかった。イギリスにもこんな子がおるのね(笑)。読書に夢中な時代を過ごしたあなたにおすすめです。
主人公は妖精が見えたり、魔法が使えたり、母親が邪悪な魔女だと日記に書いているのですが、これが「中二病」なのか、なにかあるのか……というところは最後まで書きとおしましたが、これはあくまで「日記」なので、「中二病」なのかはわからないですね。どっちでも、彼女がつらい思いをしているのはかわらない……というのは、「中二病でも恋がしたい!」と似ていると思います。「図書室」と題している割には「図書館」そして「SF読書会」の方が大きな位置をしめているように思いました。そこでできた友達から、彼女の世界が広がっていくのがわかります。特に魅力的なのは、本の題名ではなく、その本への愛ある皮肉に満ちた批評の数々。それぞれが意見をもってそれをかわすのって、楽しいよね〜。インターネットがない時代から、ある時代へ切り替わる前の私の「十二国記」への想いを思い出しました。本を愛する方におすすめですが、特に同好の士になかなか会えなかった時代をすごしていた人に強くおすすめです!
下巻のラスト近くは女の子のともだちがちょっとへってしまったのが残念でした。もっといちゃいちゃしよーぜ!
世界は悲しみであふれているけれど、素晴らしい本もたくさん存在している。
「図書室の魔法 上 (創元SF文庫)」(ジョー・ウォルトン・茂木健訳・創元SF文庫)p88より
「図書館の購入予算を制限するのは、絶対におかしいと思う」
「図書室の魔法 下 (創元SF文庫)」(ジョー・ウォルトン・茂木健訳・創元SF文庫)p159より
- 「のちのちのシトロン 2 (プリンセスコミックス)」鏡にキスをすると、「ヒーロー」になれる女の子が、自分と同じ体質の子たちと知り合って……というのが前巻までのお話。わー、急にそんなキャラ出てきた(笑)。かわいらしくて楽しいお話でした。これで完結なので、短く楽しめると思います。