- 「異人街シネマの料理人(1) (ウィングス・ノヴェル)」人物紹介でネタバレてますが……。祖父が亡くなり、天涯孤独となった桃。祖父の経営していた映画館を残したい、と少々危険なバイトを始めるが……。桃を援助してくれる人が現れるのですが、彼が桃にめろめろになるのではなく、かえって操る側に回るのが、さすが嬉野さんと思いました。
- 「幽霊王子の理想的な姫君 落ちてる幽霊は俺の嫁 (一迅社文庫アイリス)」女の子の幽霊を「拾った」「幽霊王子」の残念さ加減を楽しむお話。ラストの変態ぶりはすごいです……。
- 「幻影のマイコ (ノン・ノベル)」妻を探してくれ、という依頼を受けた探偵。しかし、その先には黒社会が関係している可能性があり……という話を、現代日本ではなく、SF設定のモルディブで! ハードボイルドSFミステリ。
- 「きみと暮らせば (徳間文庫)」25歳の兄と暮らす、15歳の妹。彼らは血はつながっていないが、おたがいにかけがえのない「家族」だった。兄妹話は好きなので買ってみました。期待以上に私好みだった。おたがいに依存しあうのでも、らぶらぶしちゃうのでもなく、フツーにケンカしたり、フツーに相手がうれしく思うことをしたり、フツーに「家族」している二人が、だけどこういうことできるのは、もうわたしたちには、(しばらくは)お互いしかいない、ということをあらためて感じてしまう。だから何かが変わるわけではなくて、これからも彼女たちは毎日を暮らしていくんだろうな、と。
- 「(093-4)テディベア探偵 引き出しの中のひみつ (ポプラポケット文庫)」今回は、「認知症」がテーマというおもーいテーマですが、ふわふわとした雰囲気の中でできる限り言った!という感じでした。このシリーズ全体のテーマである、記憶との親和性は非常に高いですね。おすすめ。
「ありがとう」
おじいちゃんは、だれにいうともなくいった。
「(093-4)テディベア探偵 引き出しの中のひみつ (ポプラポケット文庫)」(山本悦子・ポプラ社ポプラポケット文庫)p212より