なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • ([ほ]4-3)活版印刷三日月堂 庭のアルバム (ポプラ文庫)活版印刷所を一人で営む弓子。今回は死と生きていく人のお話でした。すっごく、今の自分にしっくりきた。印刷業界の人だけではなく、いろいろな仕事をしていく上で、生きていく上で、私ももう人生の半分を過ぎて、死に向かっている。でも、だれでも死なない人なんていないから、死に向かっているというのは若くても変わらない。そんな中、何を残していくか、何も残さなくても何していくか、は自分が決めていくんだなあと思いました。活版印刷なんて旧文化のものだろ、所詮ファッションみたいなことを思われる「チケットと昆布巻き」。その後の三作は弓子さんの若くして亡くなったお母さんと、弓子さんが生きていく上での「活版印刷」で何をしていきたいのか、という話でした。おすすめです。

 私は、どんな立場のひとでも、幸せだけでぼんやりすごしているとは思っていなくて、だから下のことばはぐっときました。幸せなロマンス小説の主人公でも、なんかあるだろうなあといつも思っています。

 兄も戦っている。結局、そういうことだ。伝統も守るのも、新しいものを作るのもみんな戦いだ。
([ほ]4-3)活版印刷三日月堂 庭のアルバム (ポプラ文庫)」(ほしおさなえポプラ社ポプラ文庫)p83より

  • 恩讐の鎮魂曲」少年のときに大量殺人をした御子柴は、今はふてぶてしい弁護士となった。昔お世話になった「先生」が殺人の疑いで捕まったと聞き……。あの御子柴にもかなわないひとがいた。
  • 志木さんち(1)」男三人兄弟が暮らしている家へやってきた五歳の妹。妹かーわいい。あざといところもかわいい。