ちょっと昔の本でも、図書館ならあるのです。
図書館が閉館していたのでおすすめできていなかった作品です。ジャンルまぜこぜでお送りしております。
・「しかけのあるブックデザイン」(グラフィック社 )
様々なブックデザインがのっています。美しい本って、それだけで宝物だ。「ユージニア」の凝り方は異常だ(笑)。視覚だけではなく、触覚や他の五官にまで、というのはほんとすごい。ブックデザイン好きにはおすすめです。
・イタコ千歳のあやかし事件帖シリーズ(堀川アサコ・集英社コバルト文庫)
若くして未亡人となり、イタコとなったお嬢様の千歳と、元娼婦でもある義理の姉の幸代のコンビが贈る多少オカルトありの探偵もの。千歳の亡き夫への想いとか、オカルトが現実とがともに平面に存在する千歳の視界とか、幸代が一緒にいるとこの組み合わせがまた面白い。
・ファーシーアの一族シリーズ(ロビン・ボブ・鍛冶靖子訳・創元推理文庫)
異世界ファンタジーとしてこちらがあぜんとするほどの過酷な試練を与えられる主人公の物語です。過酷だし、主人公はそのたびにくらーくなるんですが、なんでかそこが読んでいると快感なシリーズです。
・祥五郎想い文シリーズ(片岡麻紗子・徳間文庫)
こっそり内職もする冷飯食いの祥五郎は、友人の未亡人に片思い中。道場に現れたおんな侍をその香江のもとに居候させることにしたが……。時代物初心者でも楽しく読めそうな気がします。感情もすごく納得できる流れで楽しかったです。
・「七回死んだ男」(西澤保彦・講談社文庫)
ある能力を持つ「キュータロー」が反吐が出るほど繰り返す状況は……。ダークでユーモラスなところが好きな西澤さんですが、この作品は若者が主人公だからか、特別好き。密閉された世界であるがゆえ、今読んでも楽しめるかと。
・「御書物同心日記」(出久根達郎・講談社文庫)
将軍様の書物を管理する御文庫に勤める御書物同心の新米で古本好きの丈太郎の始末記。古本好きで、何に対しても面白がって対応できる主人公が好印象です。時代ものあまり読まない人でも比較的読みやすいと思います。
・クシエルシリーズ(ジャクリーン・ケアリー・和爾桃子訳・早川書房早川文庫FT)
高級娼婦兼スパイとなるべくして育てられたフェードル(真性のM)が主人公。娼婦が神聖なるものという神話がある国で、天使様にお使えすること=娼婦としての仕事をすることという倫理観がある。この物語の一番の売りは色っぽいところではなく(むしろそれは意識しなくてよい)、陰謀に次ぐ陰謀、そしてそこを武力ではなく頭と口でのりきっていくフェードルの痛快さです。それぞれのシリーズの最終巻での物語の盛り上がりは圧巻です!