読了本
- 「1950年のバックトス」短編集。この間ドラマ化された「ひとがた流し」の後日譚もあるけれど、面白かったのは「小正月」と「百合子姫・怪奇毒吐き女」。「小正月」は、母が入院した女性が主人公で、それにともなって考えることが面白かった。「百合子姫・怪奇毒吐き女」は、青少年の誤解とか(笑)。いいねえ、こういう誤解。
- 「倒立する塔の殺人 (ミステリーYA!)」終戦間近〜終戦直後の、女学校に通う女子学生たちを描いた作品。綺麗さと汚泥、でもやっぱりきれいな彼女たちが切なく、楽しめた。現実には人がたくさん死んで、矛盾がたくさんある世界で生きている彼女たち。でも、現実を見据えて生きている少女もいて……。好きです。他の作品も読んでみようかな。でも、大人だとどろどろしそうな感じも……。とにかく、この本は、子供と大人の間の少女にふさわしい本だと思います。(自分がそうだとは言うわけではなく、自分はそういう本が好きなんだよな)……皆川博子さんって、70歳超えてるんだ。すげー。
大人は、子供が持つ負の感情から、目をそらす。嫉妬や恨みや憎しみは、大人になってから生じるのではないということに、気づかないふりをする。<子供のために>書かれた本ときたら、大人が考える理想の子供というのがあって――そんな子供は、いない――その枠の中に子供をはめこむものばかりだ。十五、六ともなれば、感情のありようは大人と変わらない。そうして、抑制力は大人より弱い。
「倒立する塔の殺人 (ミステリーYA!)」(皆川博子・理論社ミステリーYA!)
- 「鋼の錬金術師 18 (ガンガンコミックス)」面白いのは面白いのですが、読む側のテンションがちょっと落ちてきたような気がします。「悪」への怒りが保てないというか……。
- 「放浪息子 (7) (BEAM COMIX)」彼女ができた似鳥くん。それによる波紋がぐわーっと広がる。
- 「Danza [ダンツァ] (モーニング KC)」渋い男が主人公の短編集。いい作品ですね。絵にちょっとびびる人がいるかもですが、ストーリーは渋くていいです。
- 「ふたつのスピカ 13 (MFコミックス フラッパーシリーズ)」宇宙飛行士を目指す少年少女の物語。今まで同じときを過ごした仲間との別れ。彼は、やっぱり、アスミが一番好きで憧れだったのかなあと思います。