読了本

• 「赤朽葉家の伝説」鳥取の製鉄業で名を成した名家、赤朽葉家の女三代記。戦後の「山から来た民」の娘で、赤朽葉家の嫁になった万葉、万葉の長女で輝かしき不良だったマンガ家毛毬、毛毬の「普通」の娘、瞳子のそれぞれの人生が、瞳子の視点から語られる。それぞれの時代での風物をふんだんに盛り込んで、時代時代の楽しさとさみしさ、むなしさ、哀しさ、喜びなどが語られる。うーん、これは小説なのか？という気持になりました。読んでいて面白いのは面白いのですが……他人の家の手記を盗み見ている感じかな。ラストのミステリ部分はいらないかなと思いました。面白かったけど、おすすめはしにくいなあ。万葉しゃんが一番好きかな。時代的にも面白いし。桜庭一樹は、わたしにぴったりくる人ではないけど、他とは違った味を持っているなあと思います。