読了本
- 「レガシー?」敵国との緊張状態が続く王国の継嗣である長女のアレーラは、夫を迎えて王とする義務を負っていた。しかし、婚約者と目されている青年が気に食わず、もんもんとする日々。敵国にさらわれた貴族の少年ナリアンが帰還したが、彼の目的は何なのか？アレーラ姫がかなりのクールビューティーなのが面白かった。こんなに恋を我を忘れない姫って（笑）。あー、ちなみに、まったく「禁断の恋」ではなく、政治的なかけひきがメインな話な気がします。ナリアンだけではなく、アレーラがこどものころから護衛をしているロンドンにも秘密がもりだくさんで、かつかっちょいい！マッチョ系なんだろうなあ……。頭もいいのと、皮肉がきいた会話がまたかっこいいっす。しっかりとした異世界ものが好きな人ならおすすめです。
わたしは男性に対して、ミラーナのようにロマンチックな幻想を抱いていない。でもふたたびナリアンに会えるかもしれないと思うと、必要以上に期待感が高まるのだった。
「レガシー?」（カイラ・クリューバー・平林祥訳・WAVE出版）p271より
- 「謎の彼女X(8) (アフタヌーンKC)」普通のラブコメにしては少々変態じみたやりとり……だけど、やっぱりこれがふつうな気もしてくるラブコメ。ええっ、アニメ化……ってそうか、前作もアニメ化してたもんね……しかし、この話は実写でもいいような気も……うーむ。本編はやはり面白かった。ふつうと変態のミックス具合が絶妙。
- 「炎路を行く者 ?守り人作品集? (偕成社ワンダーランド)」守り人シリーズの外伝。生まれた国を滅ぼされながらも、敵国の武人となったヒュウゴの過去には、何があったのか。滅ぼされた、というのが、全員が死んだ、何もかもなくなった、ではないがゆえに残酷な展開がなんともいえない。すさまじい、血をなんども流しながら、彼は迷い続け、最後に選択していきます。これ、児童向けかよ！となんどもいいたくなりましたが、いやー、これを読んでぐっとくる子はいい子に育つわ（笑）。何もかもも失ってなお、剣をとる道しか生きられない、というのもあるかもしれませんね……。それに対応しての、「姉ちゃん」の清浄でありながら結婚することもできず、この世にないものを見つつ生きていく姿もまた……。バルサの短編も入っていますが、内容としては、こちらのヒュウゴの話がメインでした。
（おれは……。）
自分に忠誠を誓えるだろうか。――わが身は、忠誠に耐えるほどのものだろうか。
ヒュウゴ「炎路を行く者 ?守り人作品集? (偕成社ワンダーランド)」（上橋菜穂子・偕成社）p214より
- 「ムジナ探偵局 完璧な双子」「ひとではないもの」関連の不思議な事件をかたづけるムジナ探偵の物語……ラストかな？この巻はいまいちでした。
- 「チビ竜と魔法の実―シノダ!」ママは狐なので、私たちは狐と人間のハーフ！という三人姉弟の物語。狐の親戚がひとくせふたくせ……ありすぎや！というのが面白かった。実生活でもこんな困った親戚いそう（笑）。そしてそして、一番の変人は純人間のパパなんじゃ、というのがまた一興。
