なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • 黄金の王 白銀の王」架空の国「翠」を治める王族には、二つの血筋があり、お互いがお互いを憎しみ合い、殺し合いを続けていた。二つの血筋の、それぞれの長の男子が、「翠」を他国の侵略から守るため、お互いの血筋を絶やしきることをあきらめようとしていた。彼らの願いは実現するのか?これは、友情じゃないですよ。「同志」。お互いがお互いに対して、憎しみをなかなか捨てられないけれど、お互いを同じ志を持ち、かつそれを成し遂げられる実力を持つと最も信頼している。なかなか面白い関係でした。惜しむらくは、たまにリスク、とか外来語が入っているので雰囲気を損ねてしまうこと。やたら難しい漢字で雰囲気をつくっているのに、それを自分でぶちこわしてどうするよ。それ以外はいい「架空歴史もの」でした。ファンタジーじゃないんだけど、世界構築上、その言葉はないだろ、とどうしてもつっこみたくなってしまいます。でも面白かったー。男同士のあやしくない関係が好きな人は楽しめると思います。表紙を見ると、ファンタジーぽいけど、ぜんぜんそんなことないし、おじさんでも楽しく読めそう。満足!もっと多くの人に読んでもらいたいな。

「薫衣殿。私はときどき考えてみることがある。もしも二十九年前の十一月十日に、荻之原
で西風なく東風が吹いていたら、どうなっていたかと」
 ひづち「黄金の王白銀の王」(沢村凛幻冬舎)p383