なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

「2009年 このファンタジーが良さげ・・・」参加

 [鎧] Leon's Armor Shopさんが企画されている、トラックバック企画「このファンタジーがよさげ」に参加します。

・2008年内に出版されたもの(*)のうち、個人的なベスト3(1〜2冊でも可)のタイトルと著者名
・締め切りは1月末まで
・ジャンル特定が難しいものもあると思いますが、「ファンタジーと思ったものがファンタジー」の方向で
トラックバックに限らず、コメントで寄せられたものも集計の対象に致しますので、blog を利用していない方もお気軽に!

 [鎧] Leon's Armor Shop【トラックバック企画】2009年 このファンタジーが良さげ・・・より

 ……今年はファンタジーは比較的不作だったかなー。去年はいろいろあったけど。ファンタジーならでは!のぐっとくる感をあまり味わえなかったような気がする。

一位 「翼の帰る処」(上下)(妹尾ゆふ子幻狼ファンタジアノベルス 
翼の帰る処 上 (幻狼ファンタジアノベルス S 1-1)翼の帰る処 下 (幻狼ファンタジアノベルス S 1-2)
 尚書官として辺境の地へ追いやられたヤエトは、これでゆっくりできるかと思っていたが、新たなやっかいごとを抱えただけだと知るが、更にその上の事態が待っていた。隠居願望第一なのに、ついつい他のことが気になってしまって人からの好意を寄せてしまううっかりさん、ヤエトくんの苦労記(笑)。
 妹尾ゆふ子さんの最新作。今までの妹尾ゆふ子さんの作品の中で、一番会話が楽しい作品になったのではないかと思います。その中での世界設定のディティールは、さすが妹尾さんという感じでした。神にふれられたもの、名前というモチーフ、伝説の類を集めて推測する過程が私はとても面白かったです。舞台は異世界でファンタジーな設定もありですが、ライトノベルの読者でも楽しめる作品になったのではないかと。主役は隠居ご希望の苦労性な男性なので、男性も充分楽しめると思います。続巻も構想中のようなので、楽しみです。


二位 時載りリンネ!3 ささやきのクローゼット」(清野静角川スニーカー文庫 
時載りリンネ! 3  ささやきのクローゼット (角川スニーカー文庫)
 本を読むことが食事、本を読むことによって「時を操る」力を溜めることができる「時載り」の末裔の少女、リンネと、彼女の側にいつもいる人間の少年、久高が主人公のシリーズ三巻目。今回は「時載り」はちょっとお休み、勉強に飽き飽きしたリンネが入手したドアノブからその出来事は始まった……。
 3巻は、時間ファンタジー!自分がものすごく好きなテーマだけに、もうよだれが……。からくりは読んでのお楽しみ。今まで読んでちょっと……という方でも、このシリーズ読んでない、という方でもこの巻単独で読めるのではないかと。時間もの好きならおすすめです!特に児童文学よりの方はおすすめ。もともと児童文学に近い作品ですが、ライトノベルっぽさは、特にこの巻は薄いです。


三位 「<本の姫>は謳う」2〜4巻(多崎礼中央公論新社C Novels Fantasia)
“本の姫”は謳う〈2〉 (C・NOVELSファンタジア)“本の姫”は謳う〈3〉 (C・NOVELSファンタジア)“本の姫”は謳う〈4〉 (C・NOVELSファンタジア)
 どことなく西部劇っぽい世界では、天使たちの遺産として、「本」が発掘、嗜好品として楽しまれている。「本」は、人にストーリーとしての幻覚を見せる効果を持っている。「天使」たちのいた時代の遺物である「文字」を、<本の姫>と共に収集しているアンガスは、トラブルに巻き込まれながら「文字」を探しているが……というアンガスサイドと、天界のようなところから「落ち」てきた「俺」サイドの二つのストーリーが同時進行する。
 私はダントツ「俺」サイドの方がアツくて楽しめた。アンガスサイドは、少々話が正統派過ぎて読んでいてだるいところもあったけど、「俺」サイドのネイティブたちの話がとてもよかったので。特に三巻、四巻がよかったです。四巻で完結。