なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • サンシャイン&ヴァンパイア〈下〉 (扶桑社ミステリー)」ヴァンパイアなどの魔物と人間が地域的に戦っていて、魔法もあるけれどバスも走っている世界。小さな街のコーヒーハウスのパン職人、サンシャインがヴァンパイアに捕われて危機一髪!しかし、一緒にとじこめられたそのヴァンパイアは、なぜかひどく弱っていて、彼女を傷つけるつもりはないみたいで……。サンシャインの秘めた力が呼び覚まされ、敵のヴァンパイアと対決の時が迫る!なーんていうと、すごくロマンティックでドラマティックな話っぽいですけど、この話の面白いところは、このあらすじなのにそうはいかず、サンシャインはとことん現実的で、ラストの対決シーンでも、自分の仕事場を思い出してしまうし、対決なんてできればしたくない。ただ平和に暮らしていたいだけなのに!と心の中ではわめくけど、それを他人にはぶつけないで、もんもんと考え込んでしまったり。けっこう起伏の激しい人だと思うのですが、それがコンとはまたえらい違いだよなー……。やっと終わり近くでコンが好きになれてきたのに、これで終わり!とがっくりしました。続いてくれ〜。ロマンティック分を求めている方にはおすすめしません。都会でいかにファンタジー設定をもりこめるか、というのがこの話のもっとも面白い部分だと思います。

 ほら、あたしの終末論にはきっと、バターと、乳脂肪分の多い生クリームと、ピーカンナッツと、三種類のチョコレートが含まれているはずなのだ。
サンシャイン&ヴァンパイア〈下〉 (扶桑社ミステリー)」(ロビン・マッキンリイ・藤井喜久枝訳・扶桑社ミステリー)p303より