なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • 迷宮街クロニクル2 散る花の残すもの (GA文庫)」京都に突如現れた地下迷宮。そこには見たこともないような怪物たちが生息し、それらを狩り、生活の糧とする者たちがいた。その死亡率は14%。異常に高い死亡率だが、それに対する各自への見返りのため、彼らは今日も地下へ潜る。某RPGが現実世界にあったら、という発想で以前ネットで公開されていたものの商業出版されたもの。(現在は非公開)といってもゲームくささはなく、日常生活を「楽しんで」生きている彼らと、あっさりと死んでいく者たちが描かれていきます。今回はちょっと地下パートが少ないかなあ。まあ、あれだけでインパクトはばっちりですが。次が最後の巻の予定です。ちょっと登場人物が全員ものの見方が同じ角度だなーというきらいがあるので、だめな人はだめかもしれませんが、私は楽しめました。
  • 射雕英雄伝 (第5巻)」郭靖と黄蓉のカップルのどたばた珍道中シリーズ最終巻。蒙古に戻り、ジンギスカーンの元で戦いに明け暮れる郭靖を、ひそかに手助けしてくれる人は……。ジンギスカーンって、この物語に必要なの?とちょっと思わないでもない。キャラクターとしてもすごく類型的だし……歴史ものにする意味があまりよくわからなかった。私には、老頑童と洪七公さえいれば、もう(笑)。こういう常にふざけたじじいって素敵っす。郭靖に殴りかかったところなんて爆笑。郭靖のええーって情けない顔してそうなところが思い浮かびます。マンガ版ではぜんぜんこんなとこまでいってないんだろうなあ。基本的に、武侠世界って、大義のためではなく、個人の感情(恩とか人情とか愛情とか復讐とか)で動くので、そこが快感なのかなあと思いました。最近、大義をふりかざされても、それで?と言いたくなってしまうので。

「真人さまのおっしゃるとおりかもしれませんが、只今の世で武術の最高峰といえば、東邪、西毒、北乞、南帝でしょうが、その四人を見ても、別に武術が役に立っているようには思えません」
郭靖「射雕英雄伝 (第5巻)」(金庸岡崎由美訳・徳間書店)p226より