なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • RDG2 レッドデータガール はじめてのお化粧 (カドカワ銀のさじシリーズ)」大きな力を制御されて育った泉水子は、東京の山奥の高校に通うことになった。彼女に先駆けてその学校に転校していた深行は、彼女の力は秘密にしろと告げる。同室になった女子は明るくて泉水子も仲良くできそうで安心したところで、「黒い顔」の人を目にしてしまい、泉水子はびくびくとした新生活を始めることに。うっきゃー!と叫びだしたくなるくらい面白かった。学園モノですよ学園モノ!たまらんー。泉水子は一歩進もうかなと思って何か始めると、それが上手くいくとは限らないところがちょっとした恐怖感をともなっていて、そこがスリルある展開につながっていると思います。ルームメイトと彼女の弟もよいキャラクターで、とてもよかった。特にルームメイトはアデイルばりに綺羅綺羅しくて、でもちゃんと一人の女の子している。彼女がまた絶対に味方、とはいえないところが面白い。深行くんのツンも冴えまくり(笑)。怪しげな学園での生活に、これからも注目です。児童書というよりは、少女小説としてとっても面白かった。たんのうしました。少女小説スキーはぜひともチェック!

 ひとつだけ、マイナス点が、最後の章はちょっと浮き気味だった。こうするなら、もうちょっと前ふりとかほしい。

「どうして、馬はきらいなの?」
「うそがつけない」
水子と深行「RDG2 レッドデータガール はじめてのお化粧 (カドカワ銀のさじシリーズ)」(荻原規子角川書店ぎんのさじシリーズ)p92より

  • 実さえ花さえ」江戸の町を彩る花の種や苗を商う「なずな屋」を舞台とした話。新人さんですが、ぜんぜん新人っぽくないこなれた文章だなー。しかも面白い!私の好きな「人情過ぎない」「戦わない」江戸ものにぴったりでした。江戸の花といえば、朝顔か菊、それもかなりいびつなまでに交配を繰り返すものばかりしか読んだことがなかったので、こういう市井の人々も楽しめた花について描かれていたのが新鮮でした。ラスト二話は、ちょっと展開がどっちつかずで疑問でしたが、最初の二話は完璧に面白かった。無理に時代ものにしないで、架空の話にしたほうが面白くなると思う。おすすめです。

「実さえ花さえ、その葉さえ、今生を限りと生きてこそ美しい」
実さえ花さえ」(朝井まかて講談社)p167より

  • とある飛空士への恋歌 (ガガガ文庫)」カルエルは革命の旗手であるニナ・ヴィエントへの憎しみを忘れられずにいた。義妹とともに戻らぬかもしれぬ旅へ出たが、それはニナ・ヴィエントへの恨みを果たすためでもあった。まあ、なんというか王道?こうだろうなと思ったらその通りで、カルエルがあまりに好感が持てない人格なので、これがもてるのはちょっとどうかと思ってしまった。もうちょっと優しくなってくれ。
  • 遊びをせんとや―地獄の花嫁がやってきた (コバルト文庫)」地獄の姫君、ヤミーに目をつけられた貧乏平安貴族の暁信のトラブルいっぱいな毎日のお話。暁信は凡人ながらも、努力する姿勢とか(身にならないけど)、優しくて鷹揚なところが好感が持てます。もてるならこういう感じでせめてあってほしい(笑)。多佳子姫は斎院なのにからかいすぎです。(^^)今回は暁信の変身が一回しかなかったのでちょっとものたりなかった。もうすこし見せ場増やしてあげてほしい。
  • 麗しき巡礼の姫―黄金の魔女が棲む森 (トクマ・ノベルズEdge)」カタブツ近衛騎士が、幼い見かけだが実は30代で恥じらいも欠片もない人格のシフにふりまわされたりするシリーズ。今回は、「巡礼の姫」と呼ばれる皇后を送り届ける仕事を引き受けたレギウスとシフの珍道中。ちょ、「夜の騎兵隊長」はいかんでしょ(笑)しかも連呼。基本は下品なんだけど、人が本気でいやがるときはちゃんと止めるようなところもちゃんとあるので、笑いながら読めました。その点は「鉄球姫エミリー」と共通してるのかも。しかし、この落ちはあまりに……かわいそすぎないかい!あの決意はなんだったんだ!(^_^;)まあ、面白かったので次も読みます。