なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • 聖者は薔薇にささやいて―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (コバルト文庫)」「恋のドレス」の縫い子であるクリスと貴族のシャーロックの身分違いの恋愛シリーズ、の番外短編集。今回は、クリスと一緒に店をやっているパメラの過去を知る男が現れた?というお話。青木祐子様、万歳!このシリーズ、最初はドレスにうっとりし、じりっじりっと進む恋愛ににやにやし、そしてとうとう、シャーリーの惚れ負けっぷりに爆笑する、ラブコメ段階に入りましたよ!も、この負け犬っぷりったら……たーまーりーまーせーん。それでいてアントニーたちに対する暴言……シャーリーらしいです(爆)。まあ、シャーリーは置いておいて、まさか「恋のドレスと舞踏会の青―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (コバルト文庫 あ 16-23)」でこんな物語があったとは……パメラが一番大好きな私からしたらがくぜんとしました。シャーリーのあの台詞には、こんな背景があったのか……。イアン先生の最初の件でのだめっぷりもよかった……パメラ、どう見てもイアン先生にしとけ!相手の男性のだめっぷりといったら……またこういう人現実にいそうなところがたまんないっすね。あはは。男性も女性も……。とにかく、とてつもなく楽しませていただきました。パメラ様、これからも翻弄してやってくださいまし!

 男ものの手袋なんて、作ったことがなかったんですけど??とクリスは恥ずかしそうに言った。
 あたりまえである。俺のもの以外、作る必要はない(一生)。
聖者は薔薇にささやいて―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (コバルト文庫)」(青木祐子集英社コバルト文庫)p58より

 他の方の感想を読んでいたら、クリスはもうちょっとパメラのことを思うべきだ、というのがあったのですが、私は、クリスはパメラが何か変だ、ということはわかっていて、早く帰ってきてね、とかあなたがいっしょなら大丈夫、とか言ってるんだと思っています。クリスは、直接どうしたの?とか聞くのではなく、話してくれたら聞く、というスタンスで、でもあなたにいてほしい、ということを一所懸命表現しようとしているんじゃないかなと思います。すごくクリスらしい、遠回しーで文章にもなかなか出てこないようなふうですけど。だからパメラはクリスのことが大好きなんじゃないかと思います。

  • ビスケット・フランケンシュタイン (メガミ文庫)」ある病気の患者の身体をつぎはぎしてできた人造人間、「ビスケ」は、ヒトではない。「ビスケ」が老いもせず生きていく過程で出会った人々の話。toi8さんのイラスト目当てで購入。これが初日日日さん。表紙の不気味な見開いた目で笑んだところが物語をよく表していると思います。不気味で、綺麗すぎない、ちょっとグロテスクな話。黒乙一と同じジャンルだとは思うけど、何か足りない気がします。これが好きな人はいるだろうと思うけど、私にはあまり合わなかった。でも読めないほど受け付けないわけでもない。まだ青いなーとは思いました。

『目を覚ましなさい、とは言いませんよ。せめて良い夢を』
ビスケ「ビスケット・フランケンシュタイン (メガミ文庫)」(日日日学習研究社メガミ文庫