なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

2010年上半期ライトノベルサイト杯(新規作品部門)

「子守り魔王と姫騎士団長」(夕鷺かのう・エンターブレインビーズログ文庫
子守り魔王と姫騎士団長 (B’s‐LOG文庫)
 皇帝の娘でありながら、騎士団長を任じられているけなげな主人公が、継母に命じられて向かったのは、魔王退治の旅。ドジっ娘の彼女は生き残れるのか?魔王のほのぼのというよりは、ドジっ娘の珍道中(ラブコメ的にも)が面白かった。やっぱり従者はおいしい。ファンタジー的にも凝ったつくりで、さすがこの作者だと思いました。おすすめです。背景がやや南米というのも面白い(絵柄には全く反映されてないっぽいけど(笑))最近出た2巻も面白かったです。やはり従者か。
【10上期ラノベ投票/新規/9784047263116】

「レッド・アドミラル 羅針盤は運命を示す」(栗原ちひろ角川ビーンズ文庫
レッド・アドミラル  羅針盤は運命を示す (角川ビーンズ文庫)
 海軍への異動を希望し続けているのに、叶えられない近衛のロディア。女にはモテモテだが特にそういう趣味ではないロディアはなかなかりりしくてかっこよいです。神が存在する世界で、神が代償をきっちり求めるのがまたファンタジー好きとしてはよい。もうすぐ出る続きが楽しみです。
【10上期ラノベ投票/新規/9784044514143】

「金星特急」(嬉野君新書館ウィングス文庫
金星特急 (1) (ウィングス文庫)金星特急 (2) (ウィングス文庫)
 謎の美女、金星の婿になるために「金星特急」に乗った男性たち。彼らの行く末は死か、この世の栄華か?SF漫遊冒険活劇。でこぼこ三人の組み合わせがおもしろいです。気軽に読めるコメディとしておすすめです。

 金星特急は、どこから来てどこへ行くのか誰も知らない。
 そして、途中乗車も途中下車も出来ない。
金星特急 (1) (ウィングス文庫)」(嬉野君新書館ウィングス文庫)p224より

【10上期ラノベ投票/新規/9784403541537】

「星をさがして」(張間ミカ・徳間ノベルスEdge)
星をさがして (トクマ・ノベルズEdge)
 「星の部屋」をつくるためなら(わりと)手段を問わない「妖精遊び」の魔女、ガートルードは、そのために「夜の神」ノクスを召喚した。特に前半は、前作よりも軽いタッチでなかなかよかったです。読んでいてにまにましたくなる感じでした。けっこう強引なのに可愛いところもあるルードも読んでいて痛快。情景がとても彩り豊かなお話でした。児童文学と一般向けファンタジーの中間ぐらいの感覚で読めました。黒猫もいい味出していてよかった。読者は黒猫視点からルードを見られるんですね。これは将来が期待できるなあ。ミギーさんの挿絵、カラーでみたい!

「君はいつも、何かを忘れようとするみたいに空を見上げるね」
ノクス「星をさがして (トクマ・ノベルズEdge)」(張間ミカ・徳間ノベルスEdge)p194より

【10上期ラノベ投票/新規/9784198508562】

「ストレンジボイス」(江波光則・小学館ガガガ文庫
ストレンジボイス (ガガガ文庫)
 いじめられて学校に来なくなった同級生は、再会した時には様変わりし、いじめていた子を殺すと言った。「観察」することに偏執的な興味を持つ「わたし」は、二人を追うことにしたが……。ダークな設定の中、起きる出来事をただ見ていく少女の姿がいびつで、面白かったです。ダークな話が好きな人にはおすすめ。特にディームス先生は読めないキャラでした。

「深入りすんな、って言ってんだよ、俺は。もういいんじゃねえか、ってな。……それができないんだっけか、お前らは」
ディームス「ストレンジボイス (ガガガ文庫)」(江波光則・小学館ガガガ文庫)p122より

【10上期ラノベ投票/新規/9784094511857】