なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

2010年上半期ライトノベルサイト杯(既存作品部門)

「カラクリ荘の異人たち」4巻(霜島ケイソフトバンククリエイティブGA文庫
カラクリ荘の異人たち 4 ~春来るあやかし~ (GA文庫)
 もののけの世界との接点である、カラクリ荘に住む太一。太一にほのかな想いを寄せる彼女は、太一の笑ったところを見たことがないことに気付いた。シリーズ最終巻。良いシリーズになったなあ、と読み終わってしみじみ思いました一巻一巻、いいところがあって、太一も最初から考えたらとても変わった。一巻はもう人間じゃないみたいだったのに(笑)。「妖怪アパートの幽雅な日常」ととても似た設定ですが、私はこっちの方がとても肌に合いました。説教臭くない、じっと見守るわけでもなくというところが好きだなあ。今季では一押し。女の子にもおすすめ。

 ――何もかも、壊れるばかりじゃ、ありませんよ。
カラクリ荘の異人たち 4 ~春来るあやかし~ (GA文庫)」(霜島ケイソフトバンククリエイティブGA文庫)p300より

【10上期ラノベ投票/既存/9784797358940】

「横柄巫女と宰相陛下シリーズ」(鮎川はぎの・小学館ルルル文庫
横柄巫女と宰相陛下 届かぬ君へ (ルルル文庫)横柄巫女と宰相陛下 楽園の塔 (ルルル文庫)横柄巫女と宰相陛下 肖像のない王女 (ルルル文庫)横柄巫女と宰相陛下 ある少女の思い出 (ルルル文庫)横柄巫女と宰相陛下 煌めく嘘 (ルルル文庫)
 無表情で無口で口のききかたをしらないがとことんお人好しの巫女のノトと、王のカノンのラブコメ(最近はシリアス展開)。最初のあたりは、悪役に魅力がないところがもったいなかったのですが、「楽園の塔」を最高潮にかなり面白くなってきました。かなり阿呆な人がでてくるので、そのあたりが許せる人ならおすすめです。裏で進んでいる神様話もどう転ぶのかまったくわからない。なんと三月から六カ月連続刊行中。しかもほぼ短編集なしというところがすごい。

ノトがこれからの人生でどんな決断をしても、自分は必ずそれを応援しよう。どんなことがあっても、世界中が彼女を非難しても、自分だけは味方でいよう。
横柄巫女と宰相陛下 楽園の塔 (ルルル文庫)」(鮎川はぎの・小学館ルルル文庫)p211より

【10上期ラノベ投票/既存/9784094521634】

「花姫恋芝居シリーズ」(宇津田晴・小学館ルルル文庫
花姫恋芝居〜恋の試練と白い玉〜 (ルルル文庫)花姫恋芝居〜美姫と二人の覇王〜 (ルルル文庫)花姫恋芝居〜誤解しあうも互いの縁〜 (ルルル文庫)
 中華風痛快世直し姫王子旅(ラブコメ有)シリーズ。天然通り越して、これはもう神の領域?というくらい天然すぎる姫が魅力的なシリーズです。これも最初の巻よりは後の方が面白くなってきます。読者の予測を通り越すような感じが面白いです。あと、悪役がなんか憎めない感じなのが好感度高いなー。小公女ばりにいじめられても、あれ、いぢめられてるの?と無邪気な香琴を見ると、ついつい悪役に同情してしまう(笑)。かといって善人ばかりではない、ひねひね弟の暗躍も陰で楽しめる、二倍おいしいシリーズです。

 ――碧天、それではお主が悪役のようじゃ。
花姫恋芝居〜恋の試練と白い玉〜 (ルルル文庫)」(宇津田晴・小学館ルルル文庫)p250より

「世の中は、芝居の中のように上手くいくことばかりではない。だが、頑張っている人達がむくわれないような国は、嫌じゃ」
花姫恋芝居〜誤解しあうも互いの縁〜 (ルルル文庫)」香琴(宇津田晴・小学館ルルル文庫)p196より

【10上期ラノベ投票/既存/9784094521627】

「嘘つきは姫君のはじまり  東宮の求婚」(松田志乃ぶ集英社コバルト文庫
嘘つきは姫君のはじまり 東宮の求婚 平安ロマンティック・ミステリー (嘘つきは姫君のはじまりシリーズ) (コバルト文庫)
 ラブコメ・ミステリありの平安時代宮廷物語。嘘つき姫君である宮子は、後宮にやってきた大姫の存在に心揺れるばかり……。なーんーだーこの糖度の高さは!というぐらい甘かった!いよいよ自分のこころに向き合わざるを得なくなってしまった宮子と、馨子さまも活躍できて、有子姫と真幸のフラグもたちまくりで面白かったです。大人の女性にもおすすめ。

(怖がらず、自分に嘘をつかず。奇妙なこの運命に決して押し流されてしまわぬように……。
 わたしの恋が、そのまま、わたしの未来になる)
宮子「嘘つきは姫君のはじまり 東宮の求婚 平安ロマンティック・ミステリー (嘘つきは姫君のはじまりシリーズ) (コバルト文庫)」(松田志乃ぶ集英社コバルト文庫)p103より

【10上期ラノベ投票/既存/9784086013949】

「ヴィクトリアン・ローズ・テーラーシリーズ」(青木祐子集英社コバルト文庫
恋のドレスと聖夜の求婚 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (ヴィクトリアン・ローズ・テーラーシリーズ) (コバルト文庫)恋のドレスと月の降る城 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (ヴィクトリアン・ローズ・テーラーシリーズ) (コバルト文庫)
 英国ヴィクトリア朝時代、恋のドレスをつくると噂のお針子クリスと、公爵令息のシャーロックの身分違いの恋愛です。別れを告げると決めたクリスだが、シャーロックは納得できずに過ごしていたところ、婚約を持ちかけられる。俺様シャーリー、復活!から物語が終息していく次の巻。たまらなく面白かった。クリスの真意が、実は読者にもはかりかねるところがあるのが、この物語を読んでいて感じる不安感の原因だろう。そこがまた、はらはら感をそそって楽しい。最初はこんな物語になるなんて全く思ってなかったなあ。大人の女性におすすめです。

 「取戻すもなにもない、俺のものだ。どうかしていたんだ。クリスは俺のためを思って身をひいただけだ。それ以外に何か、俺をきらいになる理由があるとでも?」
シャーリー「恋のドレスと聖夜の求婚 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (ヴィクトリアン・ローズ・テーラーシリーズ) (コバルト文庫)」(青木祐子集英社コバルト文庫)p289より

【10上期ラノベ投票/既存/9784086014137】