なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • 太陽神の司祭 上 (ヴァルデマールの嵐1) (創元推理文庫)」ヴァルデマールの永遠の敵国と思われていたカース国の太陽神の司祭が、書記の少年カラルとともにヴァルデマールを公式訪問するサイドと、<隼殺し>の悪夢に今も苦しむアン=デシャサイドが交互に語られます。緻密な世界観と、勧善懲悪的展開が痛快、人間関係が複雑なシリーズの続刊。ヴァルデマールを敵国と思っていたから、<使者>を怖ろしいモノだと思っていたカラルのびびりっぷりが楽しくて、でもヴァルデマールって、異常な「常識」の国だから、わからんでもないところがまた面白かった。アン=デシャはアン=デシャで、<隼殺し>の悪影響について一人で悩んでいて(<炎の歌>はもーちょっとなんとかせいや〜)、タリアがよーやく手助けに入ってカラルとの仲をとりもつ、というのが上巻のストーリー。カラルは外交官の助手ということもあり、かなりしっかりしていて頭の回転がいいのにいい子で、好感度高し。今までの作品に出てきた人物が出てきて、彼らへのカラル視点のものの見方が面白かった。敵からみれば、怖いよな〜、確かに。下巻では、カラルとアン=デシャがどういう展開をするのか楽しみです。(二人はできてないよ〜)

「本に飢えた人間なら、前にも見たことがあるんだよ、坊や。あそこにはおまえに禁じられているものは何もない。それに、この国の人々がどんな考え方をするのか、彼ら自身の言葉から学ぶのも決して悪いことじゃない。飢えを満たすと同時に、心も開いておけ」
太陽神の司祭 上 (ヴァルデマールの嵐1) (創元推理文庫)」(マーセデス・ラッキー・山口緑訳・創元推理文庫)p296

  • ええもんひとつ―とびきり屋見立て帖」幕末の時代に「とびきり屋」という古道具屋を営んでいる夫婦の話。倒幕の志士たちは脇役で、あくまで古道具屋が主体です。二人の出会いからの話と、「花結び」がなかなか好きです。