なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • 愛を刻んでほしい (二見文庫 ヒ 1-1 ザ・ミステリ・コレクション)」1866年のテキサス。南北戦争で戦うことを拒否した青年、クレイは帰ってきて弟たちと暮らしていたが、周囲の人間は彼を臆病者とののしり、憎んでいた。夫を戦争で失ったメグは、クレイに罰を与えるため、彼に戦没者の石像をつくらせることにした。家族には秘密にして彼に接触し、石像を作る様を見学しているうちに、メグはクレイのことを知っていく。彼は本当に「臆病者」なのか?クレイが、メグの夫とは幼馴染でずっと一緒に育ってきた、その場所で彼らの思い出とともに生きているんだなあ、というのがよくわかりました。(メグも彼らと一緒に育ったのだが、やはり男同士の絆というか)クレイとメグの弟たちの感情もよくわかるし、それを押しての双子の愛らしさがたまらん(笑)。いやー、これは当たり〜。憎しみが絡んだ物語はあまり好きではないのですが、これはおすすめです。ちなみに、クレイは経験なしでメグは未亡人。こーゆー組み合わせも珍しくて面白かった。

「あなたがクレイと結婚するのは、どうしても無理だもの。もし結婚したら、クレイはあなたにときどきキスしたくなるよ。ぼくらは好きな人とでも、キスって気持ち悪いと思うんだ。憎んでる人とキスするなんて、ものすごくいやでしょ」
愛を刻んでほしい (二見文庫 ヒ 1-1 ザ・ミステリ・コレクション)」(ロレイン・ヒース・栗原百代訳・二見文庫ザ・ミステリコレクション)p256より

  • あなたに会えたから (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)」獣医のアイザイアは母親に結婚をせかされるのをうっとおしがっていたところに、ある女性を雇ってほしいと頼まれた。事故がもとで脳に障害があり、失語症になったところをかなり回復してきたローラは、しゃべるのは上手くないし、文章を読むことも下手だけれど、知的でとても優しく思いやりのある女性だった。しかし、クリニックでローラが原因と思われる問題が起こり……。二見文庫のミステリ要素は私はあまり好きではないのですが、これにもあった。それをぬかせば、とても面白かった。アイザイア、ほぼラストまで気持ちにきづきません(笑)。にぶにぶです。ローラは自覚しつつも、失語症の自分には結婚する資格がないと思いこんでいて、かなり及び腰。ローラがとても魅力的に描かれていて、これは落ちるよ(笑)。可愛いもん〜。あーうちにローラが欲しい(笑)。ごはんつくってくれ〜。

 OK、わかった。恋に落ちたからといって死ぬわけじゃない。
あなたに会えたから (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)」(キャサリン・アンダーソン・木下淳子訳・二見文庫ザ・ミステリコレクション)p376より

 あ、書き忘れてた。ふつー、犯罪的なミステリで危機的状況に陥ったら、ヒーローが助けてくれるものですが、これが違ってて笑った。アイザイア、ヒーローにすらなれてない(笑)。いやー、お強いですねえ……。眼福眼福。