なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • 翼の帰る処 2 ―鏡の中の空― 上」「翼の帰る処 2 ―鏡の中の空― 下」再読。病弱で三十前に死を予告されたヤエトは三十過ぎてもなんとか生きていて、でも頻繁にふらふらになる身体となんとかやっている。先をもしれぬ身のためもあり、常に隠居を願っているがかなわず、望まぬ出世を続ける日々が続く……。見て見ぬふりをすればいいのに、自分から苦労をしょいこんでしまうたちのヤエトさんがうぷぷなシリーズです。表紙の三人、みんなヤエトさんにたらされまくってますしね。もうっ、この人のめんどうみてやらなきゃっ、みたいな感じになっちゃうのかなあ。「大人」の話としても、楽しく読めるのがこの作品のいいところだと思います。ファンタジーの世界というと、どうしても年若い子たちが主人公で、おれがおれが!みたいなところが目だったり、「絶対」こうじゃなきゃ!みたいな話になったりすることが多いのですが、大人になってしまうと、「絶対」だけですまさないがほうがいいところがあったりもするなあと、思ったりすることもあります。「絶対」って、切り捨てるための言葉として使われることもあるんだなと。そんな大人なあなたにもおすすめです。

「わたしは絶対などという言葉は使いません」
ヤエト「翼の帰る処 2 ―鏡の中の空― 上」p191より

  • 思い出のとき修理します (集英社文庫)」古びた商店街の時計屋さんと知り合った明里。彼女自身は美容師という仕事への気力もなくし、失望を抱えていた。彼女にとっては思い出の店を住まいとして暮らすようになったが、不思議な出来事が……?村山早紀さんみたいな短編集でした。ちょっとミステリ風味もあり。「不思議」というほどファンタジーでもなく、現実よりなので、一般の方でも楽しめると思います。女性向け。