読了本
- 「いなくなれ、群青 (新潮文庫nex)」階段島にいきなり現れる者たち。彼らは「誰か」から「捨てられた」ひとたちらしい。この島から出ることはできないけれど、バイトもするし、通販だってできる。この島はいったいなんなのか?彼らはこの島から「脱出」することはできるのか?なーんてあらすじは、河野裕さんなのであまり関係なく、「サクラダリセット CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY (角川スニーカー文庫)」のような、涼しげな*1雰囲気の中での軽口やその隠された気持ち、一筋縄ではいかないそれぞれの考え方が楽しめる一冊でした。これシリーズにするんだ。面白かった人には、「サクラダリセット CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY (角川スニーカー文庫)」がおすすめです。
でも僕は安定した停滞が嫌いじゃない。それは幸福から遠い場所になるかもしれないけれど、同時に不幸からも遠い場所にある。不幸じゃなければ、幸福だと言い張ることだってできる。
「いなくなれ、群青 (新潮文庫nex)」(河野裕・新潮文庫NEX)p16より
新潮文庫がライトノベルっぽい表紙で出したNEX。以前のファンタジーノベルシリーズでは「魔性の子 (新潮文庫)」に出会えたりしたので、今度もいい出会いができるといいな。前回は短命に終わりましたが……。
- 「私はフーイー 沖縄怪談短篇集 (幽BOOKS)」沖縄が舞台のホラー短編集。なかなか面白かった。沖縄の伝説がもとになっていたりするので、ホラーが苦手な人でも、「異界」の話のような思えて楽しめるかも。たまに恒川さんらしい文章とかあってニヤニヤしてしまいました。
- 「どんまいっ! (幻冬舎文庫)」表紙から青春ものなのかと期待していたら、オムニバスな時代をまたいだブンガクっぽい感じの短編集だったのでちょっとあれ?と思いました。ちょっと登場人物の幅がひろすぎだなあ。
- 「翻訳ガール (宝島社文庫『日本ラブストーリー大賞』シリーズ)」翻訳会社で働きつつ、文芸書の翻訳活動をしているクールビューティーお姉さま(人付き合い苦手……)がいやがらせを受けている。犯人は?引きこもりっ子はタナカ家になじめるのか?など問題がやまもり。最初の巻よりこちらの方が好きだけど(主人公が好みなので)、翻訳っぽさはそんなに出てなかったかなあ。タイトルも「ガール」じゃないよね。ちゃんとした女のひとです。
- 「夫婦(めおと)ごよみ―ひぐらし同心捕物控 (学研M文庫)」やっとこさ夫婦になったふたり……だったけれど、お邪魔虫が現れて……という展開。うう……一巻目はあんなに面白かったのになあ……なんかミステリ部分はフツーだし……次の巻面白くなかったら切ります。
*1:さわやか、ではない