なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • 死の泉 (ハヤカワ文庫JA)終戦直前のドイツ。軍人の子を身ごもったマルガレーテは、未婚の女性の出産を手助けし、金髪碧眼であればそのままSSの養子に出してしまうという施設、レーベンスボルンに入所する。そこで彼女は二人の少年と、一人の男性、一人の少女に出会う。そこから彼女の人生は一変する。子どもを守るため、彼女のした選択は……。格調高い文章が、戦時のドイツの雰囲気と合っていてよいです。皆川博子さんの作品を読んでみたいなあと思って、借りてみました。幻想ものより、現実ものにしてみようかということで、これで。ラスト、読み終わるまで「これは野上晶という人が訳した本」という効果がわからなかったのですが、なるほどー……。入れ子入れ子になっているしくみを、何度も複読することによって味わっていく物語なんですね。本編の雰囲気がすごい好きだったら、もっとはまれる作家だろうと思います。でもまあ、とりあえずは面白かった。舞台が違ってたらもっと好きかも。

 あーそうそう、ドクトルは、私はそんなに大人物だと思っていなかったので、ラストまですごい人物ぽい存在感だったのが意外でした。小物だと思っていた……。なめてごめんよ。

  • スイート・ダイアリーズ須賀しのぶさん初の単行本あんど一般書。女子高時代からの女友達。一人は不倫相手から別れを突きつけられ、一人は夫の暴力に疲れ、もう一人はあいかわらずだった。不倫相手を殺してあげるから、夫を殺してほしいと言われ、冗談だと思っていたが……。正直、面白いとまではいかなかった。一般書だとこんな感じなのかなあ。ふつう、でした。女同士のどろどろが大好きな方はいいかも。