なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • 花に降る千の翼―光の戴冠 (角川ビーンズ文庫)」南の島嶼王国、タリマレイの王女イルアラと、神の国ラロヘンガからやってきたイルアラを守護するエンハスの恋愛ファンタジー。だったのですが、今回は副題のとおり、重大な事件がタリマレイに起きます。ラスト一巻前ということもあり、感動的でした。あの人好きだっただけに、残念……。短編で補給してほし!

「私ったら…………見事につけこまれましたわ」
メアンナルン「花に降る千の翼―光の戴冠 (角川ビーンズ文庫)」(月本ナシオ・角川ビーンズ文庫)p183より

  • 暁と黄昏の狭間〈1〉竜魚の書 (トクマ・ノベルズedge)」本格ファンタジー。一介の鍛冶師の娘として生まれ、生まれた村ではみそっかす扱いされて生きてきた少女が、王子の「ワン」を補給するためにお前が必要だ、と言われて身を売られるようにして王子の元へいくが、想定しない事態が彼らを襲い……という話。「ワン」とは、魂のようなもので、誰でも七つもっている。それが失われるとその人は死ぬか廃人のようになってしまうというもの。五行に近い考え方かな、と思いました。シビアな世界観は翻訳ファンタジーに近く、「ワン」を補給させると、元となった人は死ぬかもしれない。それでも娘を当たり前のように贄に差し出してしまうところが、いかにもありそうだ。他の人の感想を読んで思ったのだが、「流血女神伝」(須賀しのぶ集英社コバルト文庫)に大きな流れは近いかも。何の力も持たない少女と、従う対象をなくしてしまう強い騎士の組み合わせとか、神が存在しているところとかも。展開も飽きが来なく、心得ている感じでした。続きは読むつもり。

 作者は元マンガ家の西魚リツコさん。病気でマンガ家が続けられなくなってしまったそうだ。
 ちなみに、序文はいらないと思います。「ドーム郡ものがたり (ドーム郡シリーズ)」は私の旧友がほんとうに翻訳かと信じたほどのモノで、印象に残っていますが、こちらの序文はあとがきに書くべきものではないかと思いました。