なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • FW(フィールドワーカー)―猫の棲む島 (講談社X文庫―ホワイトハート)」大学生と院生たちが向かった九州の小島。そこで行われる三年に一度の祭りは、魔王天という神を祭るものだった。得体のしれないゼミに入ったばかりの小美仁は、そこで凄絶なものをみることとなる。雰囲気はまるまる講談社ノベルス。「黒祠の島 (新潮文庫)」とか。……レーベル間違ってませんか、というほどでした。これホワイトハートじゃぁ、それゃ売れないっすよ。うむ。いくらミステリ風味が今までの路線としてあったとしても、もうちょっとBL風味か恋愛をきかさないと、このレーベルじゃあ読者はついてきません。うむ。ミステリとしては落ち……というか展開?がもう一つでしたが、それなりに面白かった。悪い出来ではないと思います。ただ、もう一つ味がないと売れないだろうなあとは思います。シャオくんのよいところがまったくわからなかったのも残念。なんでも持ってるおばちゃんみたいな、というところなのかなあ。なぜ彼がひきぬかれたのか、というところをはっきりと打ち出してほしかった。

 あ、魔王天という神様は初めて聞きました。こういう話はけっこう読んでるけど、ほんと初めて。ただ、八王子、って聞くとどうしても地名かと思っちゃうなあ。

  • 貴婦人の薔薇―女魔術師ポルガラ〈2〉 (ハヤカワ文庫FT)」ポルガラがエラト女公爵として活躍するところから、あの家族たちと逃亡の日々を過ごしているところまで。ベルガラスの語りでは、ポルおばさんが失意の日々を過ごしていた間のことがぶわーっと語られている。そーだよね。あのポルおばさんががっくり無為な日々を過ごすわけないよね。しかしポルおばさん、悪魔だ……。

「あれだわ! どうしてすぐに気づかなかったのかしら? 火を見るよりあきらかよ。閣下、悪さをなさったでしょう。とても恥ずべきことを最近なにかやらかしたはずよ。そのあわれなぽんぽんはどこも悪くないわ。良心がとがめているのよ、それだけだわ」そういって、わたしは彼の胃袋に新たに消化液を流し込んだ。
ポルガラ「貴婦人の薔薇―女魔術師ポルガラ〈2〉 (ハヤカワ文庫FT)」(デイビッド&リー・エディングス・宇佐川晶子訳・早川文庫FT)p136より