なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • 風の陰陽師〈4〉さすらい風安倍晴明の少年〜青年時代を描いたシリーズ最終巻。愛する人を失った清明は一年間の潔斎(という名のひきこもり)の後、関東の平将門の元へ身を寄せる。将門は呪いにより、朝廷へ反旗をひるがえす破目に陥っていく……。将門側メインで、晴明はすっかり生命力がなくなってしまったような(笑)。まあ、これを書きたかったためにこの物語ができたそうなので、仕方がないとは思うんだけど、なんかもったいないような気もする。楽しみにしていた鷺あんど道満コンビはそうきたか……!一度、「お前なんか友達じゃないしね」みたいなことを言う鷺が完全ツンデレだ(笑)。道満は道満で、最後は絶句させてくれるし。これ、主役道満……?みたいな。すげー。余韻があふれる終わり方でした。これはけっこう大人も楽しめる物語だったと思います。時代もの好きならなかなかおすすめ。二星天さんのイラストは最後の巻はおっさんばっかだったけど(笑)、最初の巻とかたまらんかったです。
  • 花咲く丘の小さな貴婦人(リトル・レディ)―林檎と花火とカエルの紳士 (コバルト文庫)」英国のパブリックスクールに併設された女子校に通う日本人とのハーフのエリカが、いろいろな壁にぶつがりながらもがんばるシリーズ二巻目。今回はなんやかんやで監督生になってしまったエリカが、男子恐怖症の下級生のためにいろいろと面倒に陥る話。ひとりでもてんやわんやなのに、トラブルシューターになってもそれはさらに騒ぎが起こる方にいくに違いはなく、意地悪をしてくる人もいたりしてエリカが大変そうでした。ジェラルドはおこちゃまなのにけっこうがんばった。

 その気になれば、彼にとって垣根など何でもないもの。
 エリカが心にめぐらせた垣根さえ。
花咲く丘の小さな貴婦人(リトル・レディ)―林檎と花火とカエルの紳士 (コバルト文庫)」(谷瑞恵集英社コバルト文庫)p155より