読了本
- 「有限会社ビクトリア旅行代理店 (幻狼ファンタジアノベルス)」人類だけじゃないいろんな種族が宇宙を旅行できる世の中。貧乏旅行会社、ビクトリア株式会社の今回のツアーは、ミステリーツアー。参加するお客様たちはどこか問題あり?なんと武器を設置するためにトイレを宇宙船から外してしまうという大胆な発想が。
- 「儚い羊たちの祝宴」ゴシック・ミステリ短編集。召使(メイド?)の目から見たお屋敷をさまざまに描いた作品集なのかなと思いました。こういうのも書けるんだな、という感想。なかなかにダークなので、「古典部」とかのノリを求めるとショック受けそう。
- 「マリア様がみてる 33 ハローグッバイ (コバルト文庫)」祐巳編最終巻。祥子さまたちの卒業式の話。オールスターキャスト登場。意外とあっさりとまあ……しかも視点がいろいろと切り替わるので、あまり祐巳ちゃんの視点にいることもなく、短編集のような感じでした。しかし、やっぱり祐巳の妹探しは長かった……。
「解説しよう。祐巳語を通訳すると『どどどど』は『皆さんどうしてこちらにいらっしゃるのです?』となりま」
佐藤聖さま「マリア様がみてる 33 ハローグッバイ (コバルト文庫)」(今野緒雪・集英社コバルト文庫)p181より
- 「ウチのシステムはなぜ使えない SEとユーザの失敗学 (光文社新書)」コンピュータシステム開発をお客様の立場として受け取る側の人たち向け、として書かれた、SEの「仕様書」。なのですが、面白かった!電車の中で、マスクしているのをいいことににーやにやしまくりでした。特に第三部の創作だけどこれはある!という感じの物語仕立てのがもうにやにやしっぱなしでした。私はお客様ではなくて、システムをつくる側、つまりSEと呼ばれる人種なのですが、いや、システム開発ってこんな感じっすよ、ということがわかりやすく描かれています。それも、皮肉(アイロニー)たっぷりに。もう内田百間ばりに(笑)。SE本ってあまり読まないのですが、これはものっすごく面白かった。多分私の皮肉っぽい性質に合っているからだろうけど。SEになろうかな?と思っている人にも、おすすめです。SEの分類とかもあるので、参考になると思います。
?と思ったのは、メインの言語はC言語だよ!と言い切っているところだけ。最近とんとそんな仕事お目にかかれない……C言語の仕事ください。「プログラマー」と「コーダー」では「コーダー」の方が階層が下、と書かれていたのも聞いたことがなかったのでへー、と思った。(少なくとも、そういう地方はあるんだろうと思う)
神にも等しいはずなのに、技術者たちはなぜか営業さんと仲が悪い。こんなふうに表現すると、開発系技術者と運用系技術者の反目の話などを思い出し、「技術者というのは喧嘩ばかりしているのではないだろうか」と不安がる読者もいらっしゃるかしれない。実際に喧嘩ばかりしているのである。
「ウチのシステムはなぜ使えない SEとユーザの失敗学 (光文社新書)」(岡嶋裕史・光文社新書)p62より
- 「背伸びして情熱 (まんがタイムKRコミックス エールシリーズ)」叙情派四コママンガ。四コマじゃない、といってもいいかも。先生への恋を描いたタイトル作より、ラストの姉弟の恋愛の話の方がよかった。で、こっから本題ですが、ギャグ絵がとっっても柳原望さんにうりふたつなんですが、アシスタントだったのかなぁ……。ものすごく気になりました。こけかたのポーズとか、ぼけとかがものすごく似てるんだー。ストーリーは似てないんだけど……。
- 「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 下 (2)」桜庭一樹さん原作のコミックスの完結編。ラストはこっちのがよかったかも、きれいだ。髪が長いのも、時を感じさせてくれてよかった。