なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • 天使の歩廊―ある建築家をめぐる物語」その建築家は、依頼主が本当に望む不思議な建物を設計してくれる。明治から大正時代の日本を舞台としたミステリアス・ファンタジー。建築家、笠井泉二は幼いころからその片鱗をみせていたが、妻を亡くしてからは更にその才能に神がかった。その理由とは……。なかなか面白かったけど、もう少しいかにも現実的な建築らしいポイントを押さえたところがでてきたらよりいい作品になったのではないかと思いました。やはり最初の物語がその点ではベストだった。光を使うのはいいなぁ。全体的に、ファンタジーというよりは、「眠れぬ夜の奇妙な話」系。第20回日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作。
  • 射雕英雄伝〈4〉雲南大理の帝王武侠小説。郭靖と黄蓉のカップルのどたばた珍道中。ぽくなってきた(笑)。チンギス・ハーンの存在忘れかけてたら、関係者がでてきた。と思ったらあっさり退場。ええー!姫はしかたないとしても誰かなんか言わんか。かと思ったら、なんかだんだんとお伽噺の試練っぽくなってきたし(笑)。えー、なんかこの巻は特に、登場人物が嘘言ったり、また他の人には別の嘘ついたり、主人公たちも前言ったことをちっとも覚えていなくて(黄蓉、一生お父様の側にいる!とかゆってたよね)他のこと言ってたり、偶然にもほどがあるだろ!てなくらいみんな一堂に会しちゃったり、まあまあ……な具合。まあ、面白ければなんでもいいか。中国の人は郭靖と黄蓉のカップルが大好きらしいのですが、私はあんまりぴんとこないです。郭靖はアホの子(いい意味)だしなぁ……婚約者いたの忘れてたんならまだしも、まあ別にいいかと思ってみたいなこと言ってたのには絶句。あと一冊でシリーズ完結っす。じじいの活躍もっと読みたい!
  • 風の王国 砂の迷宮 (風の王国シリーズ) (コバルト文庫)」本編は14巻目かな?唐の時代に吐蕃に嫁いだ皇帝の姪を中心とした歴史少女小説。この数巻はほんと歴史小説で、いろんな立場の人がいろんなことを考えつつ、ある側面もあるけどこういう側面もある、ということが描かれているのがほんと面白い。最初の数巻は少女小説なノリだけど、だんだん面白くなってきます。今回は、しょっぱな主人公がでてこなくてどうなるのかと思ったけど、ちゃんとでてきて安心しました。逃亡の身だった翠蘭はある領主に身柄を拘束されたが、そこにある人物が訪れてきて……やっと合流か。しかし、彼、なんなのというぐらい頑固ね……あまりにあまり過ぎる(笑)。

「うん。強かったり、弱かったり、男だったり、女だったり、若かったり、年配だったり…な。それに、なにもできない者はいないよ。剣の腕が悪くても馬の扱いがうまい者や、動作が遅くても馬具の点検が丁寧な者、料理のうまい者、水汲みがはやい者、耳のよい者、目の優れた者、いろいろだ」
翠蘭「風の王国 砂の迷宮 (風の王国シリーズ) (コバルト文庫)」(毛利志生子集英社コバルト文庫)p242より