読了本
- 「第七官界彷徨 (河出文庫)」昭和初期に、兄と従兄と同居している女の子の話。「文藝ガーリッシュ 素敵な本に選ばれたくて。」でおすすめされていたので読んでみました。なんか面白いぞ?これ。ぜんぜん古く感じない+奇妙な面白さがある。時代としては、内田ひゃっけんと同じ時代ぐらいなのかな。でも、戦後の内田ひゃっけんよりも新しく感じる。瑞々しいというか。それでいてとんがっていないので、私でもやわらかく食べられる。"文学少女"で言えば、畑から朝露のついた野菜をとってきてむしゃむしゃ食べている感じ。最近の梨木香歩さんが好きな人が読むと楽しめるのではないかと思います。「女の子」のちょっと外れたテンポが面白い作品でした。勝田文をちょっとクリアにした感じかなあ。
小野町子はどう思うか。人間というものは自己の失敗をわらわれるよりはむしろ怒鳴られた方が常に愉快ではないか! 殊にわらいというものは短いほど相手を悲観させるものではないか!
「第七官界彷徨 (河出文庫)」(尾崎翠・河出書房新社河出文庫)p19より
- 「ライトノベルの楽しい書き方 2 (GA文庫)」ツンデレだけど実は可愛らしいライトノベル作家な女の子の話。ううーん、男子の影があまりに薄すぎる割には、ラストは少年で締めるのがちょっとなあ……どっちかの視点に固定してほしい。
- 「アダルミシアの大切なお友達 (カラフル文庫)」ニューカレドニアで出会った不思議な少女、アダルミシア。彼女の「おともだち」になったイクミは、帰国してから環境の変化についていけない。ひかわ玲子さんの児童書。お父さんが好きな気持ちがよくわかる。こんな父親いいねー。がんばれお父さん!
- 「うわさの雨少年(レインボーイ) (ポプラ物語館)」雨男と言われている少年が、父親の故郷で噂の真実をつきとめる話。なかなかおもしろかった。絵が可愛らしくてよいですね。サブキャラの「ひとでない」ものもよかった。シリーズ化してほしい。
- 「幻想綺帖 二 玉藻の前 (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)」玉藻の前を描いた一冊。今度はまるまるひとつの話になっていました。情感があって上質なマンガだなあ。すごく上品。