なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • クシエルの矢〈2〉蜘蛛たちの宮廷 (ハヤカワ文庫FT)」高級娼婦兼スパイとなるべくして育てられた女の子(真性のM)が主人公。娼婦が神聖なるものという神話がある国で、天使様にお使えすること=娼婦としての仕事をすることという倫理観がある。逆境キター!一巻のきらびやかで残酷だけど幸せな日々から一転して、サバイバル編ですよ!「流血女神伝 砂の覇王」+「デルフィニア戦記」の第一部ラストみたいな面白さでした。ぐほほ。しかし、フェードルは娼婦とはいえ、今まで箱入りだったのにここまで落とされてもまだ這い上がるか……!というぐらい憎しみで力を得るところがすごかった。そこが「流血女神伝」のカリエとはかなり違うところ。カリエはなにやっててもコメディかっというところがありましたから。エロティックなシーンはなく、におわすぐらいで終わっているので、そういうのが苦手な人も大丈夫だと思います。なんでこういう<アングィセット>(真性のM)という設定にしたのかなーと思っていたですが、この二巻目のためだったのかなあと思いました。この国では、たとえ娼婦であっても意に沿わない客はとらないということになっている。その彼女がこういう立場に遭ったら、どうしてもそういう展開になる。そこで、屈辱を受けても、まだ立ち上がれるのは、彼女が<アングィセット>だから、そういうことなんじゃないかなと。しかし、これデビュー作なんだ>作者。すげー……。
  • アリアではじまる聖譚曲 征服者は聖女を誘う (角川ビーンズ文庫)」聖女として異世界に召喚されたアリアは、自分のような凡人が聖女なんてとんでもない、一緒にいた人と間違ったんだろうといいはる。アリアの「凡人」としての働きや、いかに?あくまで「凡人」としての心持が気持ちよい。そして、騎士の「空気読めない」という特技がとても新鮮だった。逆に王子様はちょっといかにもすぎるかなー。まだまだ裏がありそうなので次も楽しみ。おすすめー。

「凡人がどれだけ凡人か、思い知りたいのね!? そうなのね!? だったら思い知らせてやるっ。がんばってもがんばっても無理って現実を、とくと実感させてやる――!!」
アリア「アリアではじまる聖譚曲 征服者は聖女を誘う (角川ビーンズ文庫)」(西本紘奈・角川ビーンズ文庫)p62より

  • はむ・はたる」これは「烏金」の続編と聞いていたのですが、どちらかというとスピンオフ的な話なのね。孤児たちが、それぞれの一人称で語るちょっと人情なお話。面白かったです。こどもが主人公って江戸ものにあまりないので、よかった。
  • シュガー・ファミリー 第6巻 (花とゆめCOMICS)」最終巻。うーん、ちょっとラストは強引かも(^_^;)今まで思わせぶりなだけの画面ばっかりだったからなあ。でもまあ、読者は多分これを求めてたと思うので。兄貴は思わぬ余禄ですね。でも、一年?どんな感じで暮らしてたんだろう。大学生とかよりは、そっちのが読みたい。
  • 逆転ハニー 1 (花とゆめCOMICS)」男女いれかわりもの。さりげなく手つきとかがとてもえろい……。いや、そーゆーことはしてないんだけどね。昔時計野はりさんがかいたサンタの男女が変わる話がとても好きなんだけど、それに似たテイストがある。少し絵柄が変わったかな。女の子はほわほわ系です。
  • 帝の至宝 第1巻 (花とゆめCOMICS)」デビューコミックス。やったー。山の中でであった怪しい人物。だけど彼はけがをしていて……。中華風だけど別にファンタジーではないです。ちっちゃい女の子好きならおすすめー。ぷにぷにですよー。同時収録の読み切りも好きだったなー。

「違うことは憎むべきことか?
 りんごが好きか ぶどうが好きかってことだろう?」
帝の至宝 第1巻 (花とゆめCOMICS)」(仲野えみこ・白泉社花とゆめコミックス)p164「魔女にうさぎの人形を」より

  • 片恋トライアングル 第2巻 (花とゆめCOMICS)」片恋スクエアになっちゃってるけど(笑)。読み切りから始まったのに、うまくラストまでもっていったと思います。好きな新人さんなので、応援しています。結城くんの「告白」がとてもうれしい気持ちがよくわかる。不思議要素のない等身大のラブコメとしておすすめ。