なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • 動機未ダ不明 完全犯罪研究部 (講談社ノベルス)」「完全犯罪研究部」再結成?何かと危険思想の持ち主の高校生ばかりが集まった「部活」の活動は、当然危険が一杯☆かなり短いショートといってもいいぐらいの長さの話が集まったストーリー。やや反社会的な内容でありつつも、楽しそうな高校生の生活が面白い。ところで、この話に双子は必要ないと思うんですが、どーなんでしょ。今回もやはり困惑の限りを尽くすゆりっぺがステキでした。女装男子も出てきたし(笑)。

 換気扇のスイッチを入れ、iPhoneにスピーカーをセットしてドラマ『ガリレオ』のテーマソングを流したら作業開始。
動機未ダ不明 完全犯罪研究部 (講談社ノベルス)」(汀こるもの講談社ノベルス)p97より

  • たゆたいサニーデイズ」二人きりの合唱部の先輩は、日常の謎を解いてくれる。先輩とラブい関係になるわけでもなく。キャラクターがとにかく弱い。ストーリーなりなんなりでもうすこしなんらかの特長がないと、面白くはならないなあ……あと、ミステリも弱い気がー。とちゅうの推理が甘すぎる。とちゅうも納得、ラストであっという結末が欲しいのが読者の(無理な)要望というものよ。
  • ピスタチオ」ライターの仕事をしている棚は、アフリカのウガンダに取材に行くことになった。なーんてあらすじでは全く語れない、紗を一枚通したような世界が描かれた物語でした。本当の名前ではない「棚」というペンネームを通して見た世界、それが自分の望んだ、希望している世界という感じがしました。母親とも近くに住んでいても遠く、恋人と結婚するわけでもなく、理解できる部分もできない部分もあり、そして興味を持った人たちは既に死んでいて、取材先では翻訳を通じないと会話もできない。全てが直接の触れあうものではなく、何か一枚の膜を介さないと触れあえず、それでも、それを通して世界を見る。伝えていく。

 死者には、それを抱いて眠るための物語が本当に必要なんだ、って、言ってました。
ピスタチオ」(梨木香歩筑摩書房)p237より