なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • オール・クリア 1(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)」「オール・クリア2 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)」2060年の史学部から、三人の学生が「現地調査」のために第二次世界大戦で空襲を受けている英国へと向かった。ダンワージー先生にやいのやいのいわれてうんざりだったのに、「戻れない」とわかってパニック!「ブラックアウト (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)」の続編にして完結編。ロンドン大空襲真っ最中の中に取り残された三人の絶望と混乱と偶然の連続、実際にその時代を生きたロンドン市民たちの生き様、そしてなぜ「帰り道が開かない」のか。この三本がどんどんどんと襲ってくる。「ブラックアウト (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)」は正直、読み進めるのに時間がかかりましたが、最後の巻は読み始めたら止まらなくて、二時まで読んでしまいました。ハラハラが半端ない。そして、こんな死と隣合わせな中で生きていたロンドン市民を尊敬します。この中で避難せずに生きていくのって、凄い決断だなあ……。まああの地獄の姉弟なら生き残れそうだけど(笑)。英国だけはなく、この時代は、いろんな場所でいろんな人が、いろんな想いで決断を下して生きていたんだろうなあ。死もあるけれど、だからこそ輝きが増すのでしょう。すべてが裏目裏目につながるのは唖然としつつ、「時」のせいなんだろうなと、謎についてはダンワージー先生がいやにあっさりとその結論に飛びついたかが謎だなーと思ったんだけど、おそらくそれすらも「時」の仕業なんだろうと思うことにしました。ことあるごとに彼の名前を出す彼女に萌え萌えです。

「そして、歴史のこの時点は、そんなに悪くない。だってほら、なんといっても、英国の最高の時(ファイネスト・アワー)なんだから」
ポリー「オール・クリア2 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)」(コニー・ウィリス大森望訳・早川書房新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)p432より

 「ドゥームズデイ・ブック(上) (ハヤカワ文庫 SF ウ 12-4) (ハヤカワ文庫SF)」も読み返したくなってきました。