読了本

• 「影の棲む城〈上〉 (創元推理文庫)」「影の棲む城〈下〉 (創元推理文庫)」前作「チャリオンの影 上 (創元推理文庫)」「チャリオンの影 下 (創元推理文庫)」の後、女王の母であるイスタは、辺境の城砦に囲われていることに耐えられなくなり、わずかな手勢と共に巡礼の旅へでる。かつて神によってその運命を狂わされた過去を持つ彼女は、神に近い人――聖人として遠視、未来視などの夢を見るようになる。そこで視たのは、城にいる男性。今度は40台の女性が主人公。地位だけはあるが自由がなく、恋もしてこなかったイスタは、危機一髪なときにようやくヒーローと思える魅力的な人物に出会ったが……。人にとりつく「魔」と、「魔」をいかに払うかが今回のテーマ。この世界の五柱の神の一人、庶子神にみこまれたイスタだが、庶子神がほんとふざけたヤローでセクハラまでしてくるのが笑えた。いやー、おっさんおっさん。「外れ者」を保護するための存在である庶子神、という設定は面白いですね〜。今作は、前作とは違い、かなり神が前に出てきてて、その分ドラマティックな展開が少なめですが、これはこれで楽しめました。前作の方が万人におすすめですが。次作でこのシリーズは終わりらしいので、ちょっと残念。イスタ様ががんがん諸国漫遊する話とかかけそーなのにぃ。急師で侍女のリスは最初は大活躍だったけど、下巻はちょっと出番が少なかったですね。残念。若くて生き生きしてて魅力的なキャラクターでした。