なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

読了本

  • 運命の輪が巡る時―占い師SAKI〈4〉 (集英社スーパーファンタジー文庫)」占いをする大学生の早希は、前巻の事件の後遺症をひきずっていたが、校舎から落ちた中学生の過去を占うことによって、それを断ち切ろうとする。母親が「身代わりになってやりたい」と言ったことを反発してつい怒鳴ってしまう早希は高校生のようですね。あいかわらずさらっと読めるミステリとしてよいできです。誘拐とか、けっこう事件としては重いんだけどそれを感じさせない。
  • ゼウスの檻」人類が木星に到達した時代。木星の特別な地区では、「ラウンド」と呼ばれる「両性」の人類たちのみがの社会が築かれていた。生体実験をさせる代わりに権利を得ているラウンドたちに対して、テロが企てられていることが判明する。通常の二倍の警備体制により、簡単に終わるはずだったが、ラウンドたちとの隔絶が悲劇を生みだすことに!?サイバーパンクな世界観の中で、ジェンダーというよりはセクシュアリティなのかな?の問題を中心に語られていきます。違いがはっきりしているだけに、区別をつけすぎてしまっているような両者の関係がもどかしくてなりませんでした。違うのは確かなんだけど、同じところもあるんじゃん、と思ってしまいます。中盤までは面白かったんだけと、やや尻すぼみかなー。マンゴーがもったいない。この雰囲気はなかなか出せる人はいないので、殺伐としたSFの雰囲気が好きな人にはおすすめです。この人が「ショコラティエの勲章 (ミステリ・フロンティア)」を書いたとはとても信じられない……。
  • 影の皇子―タザリア王国物語〈1〉 (電撃文庫)」貧民街で孤児だけで暮らしているジグリットは、盗みで生計を立てていた。仲間が捕まったところを助けようとしたジグリットは、皇子にうりふたつだったため、王宮へ行くこととなる。王宮でジグリットは、皇子と同じような暮らしをすることになるが、それは楽しい暮らしではなく……。なにこの逃げ場なし!な状況。王女はめちゃくちゃサド女だし、うり二つの王子はうらなりなだけでなーんもしてくれないし、周囲の大人もだーれも助けてくれない。やたら人死ぬし、しまいにゃ元の街の仲間も……まさか恨んでないよね?ね?こんな救いようのない状況だけつくって、以下次巻!って、ええー。ううーん、次のあらすじ読んで考えます……。これが好きな人は、「騎士(シヴァルリ)の息子 上 <ファーシーアの一族> (創元推理文庫)」にも耐えられます!きっと。どっちのがひどいかなあ……。