なまくらどもの記録 ver.2

読了記録(節操無しエンタメ系)

たらいまわし本のTB企画 第39回 夢見る機械たち

 「たらいまわし本のTB企画」というものがあるのは、以前から読んでいたのですが、今回の企画が「夢見る機械たち」というつられる内容だったので参加。
 今回の企画は、奇妙な世界の片隅でのkazuouさんの企画で「夢見る機械たち」です。

昔から人間は「道具」や「機械」を使って、生身の体では不可能なことを可能にしてきました。日常生活しかり、移動手段しかり。そして物語の中においては、それらは夢や空想を実現する手段としても使われてきたのです。

 今回は『夢見る機械たち』と題して、そんな不思議な「道具」や「機械」を扱った作品を集めてみたいと思います。主要なテーマになっているものでも、印象に残った小道具でもかまいません。漫画やノンフィクションも含めて、いろんな作品を挙げていただきたいです。

 とくにSFやファンタジーにこだわる必要はありませんので、広い意味で「道具」や「機械」がテーマとなっている作品を挙げていただけるといいなあ、と考えています。


まるいち的風景 第1巻 (花とゆめCOMICS)

まるいち的風景 第1巻 (花とゆめCOMICS)

まるいち的風景 3 (花とゆめCOMICS)

まるいち的風景 3 (花とゆめCOMICS)

まるいち的風景 (4) (花とゆめCOMICS)

まるいち的風景 (4) (花とゆめCOMICS)

・「まるいち的風景」(柳原望白泉社花とゆめコミックス
 とりあえず、これは外せません。「まるいち」という人間の動きをトレースすることのできる「機械」としてのロボットが開発されている世界。まるいちは、それ自体は意識をもたないのに、持つものの思いによって、その動きに思いがこめられ、記憶を載せることができる「もの」。
 あくまで「もの」としての「まるいち」にこだわった数々のエピソードは、SFらしく、かつ実生活に根付いた意識を起こされてくれます。絶版と思われますが、古本でも入手可能かと。文庫出して欲しいなあ。これ。(←後日出ました!しかも完結エピソード書き下ろし!「まるいち的風景 第1巻 (白泉社文庫 や 7-5)」「まるいち的風景 (第2巻) (白泉社文庫 (や-7-6))」)

・「ねこのめ三部作」(小林めぐみ富士見ファンタジア文庫
 機械、といえばこの作品。猫型生体機械のジゼルは、深窓のお嬢様、なつめに「世界」を見せるため、外の世界を出歩くことを決意した。それには、ちょと意地悪ななつめの兄、アスラの力を借りなくてはならないのが屈辱だが……がまんがまん。猫のジゼルがかもしだす特有のさらっとした雰囲気が、この世界を彩ります。
 機械としての「誇り」を語っている物語を読んだのは、私はこれが初めてでした。機械としての意識に興味がある人にはおすすめです。入手しにくいかもしれませんが、最近、復刊.comで入手できるようになったかも。

女神の誓い (創元推理文庫)

女神の誓い (創元推理文庫)

裁きの門 (創元推理文庫)

裁きの門 (創元推理文庫)

誓いのとき―タルマ&ケスリー短編集 (創元推理文庫)

誓いのとき―タルマ&ケスリー短編集 (創元推理文庫)

・「タルマ&ケスリーシリーズ」(マーセデス・ラッキー・山口緑訳・創現推理文庫)
 「もとめ」という剣は、女が困っているとなるとどうしても持ち主に助けにいかせる困った剣。しかし、助けになるときもあるので、タルマとケスリーの女傭兵二人組はそれを持ち歩いていた。この困った剣のおかけで助かることもあるのだけれど、いやーな事件にくびつっこまされることも多い二人の疲れた顔が楽しいです。
 この剣が作られた事情も他のシリーズで明かされるのですが、暗い暗い……。